『蒙兀児史記』(モンゴルしき)は、中華民国時代に屠寄(1856年 - 1921年)が、モンゴル帝国から元朝滅亡に至る歴史を紀伝体で記した歴史書。『蒙古児史記』とも書く。 『新元史』と同様、製作期間が短かったために不備が多いと批判されてきた『元史』を補うために編纂された書籍であり、ラシードゥッディーンの『集史』といった西方由来の史料も積極的に用いられている。元朝史は「モンゴル帝国史」というより広い枠組みの中で扱われるべきであるというのが屠寄の主張であり、『元史』では記述の少なかったジョチ・ウルス、チャガタイ・ウルス、フレグ・ウルスといった西方のウルスについても記述している。