数学の位相空間論における開集合(かいしゅうごう、英: open set)は、実数直線における開区間の概念を一般化する概念である。もっとも簡単な例は距離空間における場合で、そこでは開集合の概念は、各点を中心とする球体を含むような部分集合と一致する。しかし、一般には開集合は非常に抽象的なもので、「開集合の任意個の合併は開集合である」「開集合の有限個の交わりは開集合である」「全体空間は開集合である」という性質を満たす限りにおいて任意の集合族を開集合族とすることができる。空間に対する開集合族の選び方の各々は位相と呼ばれる(位相の特徴付けの項も参照せよ)。全ての集合には、任意の部分集合が開集合である離散位相と、空集合と全体集合のみを開集合とする密着位相という、二つの自明な位相が定義できる。 しかし実用上は、離散位相と密着位相の中間にある非自明な位相を考えることが多く、開集合の概念は位相空間における点の「近さ」について述べる方法を提供する基本的な道具立てである。開集合族がひとたび決められたならば、近さの概念を言い表すのに用いられる連続性・連結性およびコンパクト性が定義される。