女房(にょうぼう)とは、平安時代から江戸時代頃までの貴族社会において、朝廷や貴顕の人々に仕えた奥向きの女官もしくは女性使用人。女房の名称は、仕える宮廷や貴族の邸宅で彼女らにあてがわれた専用の部屋に由来する。 天皇に仕える「上の女房」は、朝廷の公的な女官である後宮十二司を含むが、その他の女房は高位の女性使用人ではあるものの、必ずしも常に公的な官職ではない。「上の女房」の筆頭は典侍(事実上の女官長)で、掌侍もこれに次ぐ。中宮(正妃)に仕える女房は「宮の女房」と呼ばれ、宣旨を筆頭に、御匣殿・内侍などが存在した。私的(半公的)な女房の長である宣旨は、中宮だけではなく東宮(皇太子)や斎院、場合によっては斎宮・上皇・摂政・関白などにも置かれた。