王 莽(おう もう、前45年 - 23年)は、新朝の皇帝。字は巨君。『漢書』などに記されている「莽」の字の草冠の下の字は大ではなく犬である。 前漢の元帝の皇后の王政君(孝元皇后)の甥で、成帝の母方の従弟にあたる。王曼の次男。子は王宇・王獲・王安・王臨・王興・王匡ら。娘は平帝の皇后王氏・王曄・王捷ら。孫(王宇の子)は王宗。兄は王永。甥(王永の子)は王光。正妻は丞相王訢の孫の宜春侯王咸の娘。 漢の外戚となった王政君の一族である王氏の一員として生まれ、王政君や伯父の王鳳の引き立てで立身し、漢の成帝によって、大司馬に任じられた。成帝の死後、哀帝時代には失脚したが、哀帝の死後は、平帝時代に太皇太后となった王政君により、漢の政治の実権を握った。 儒教の新興による名声の高まりと、天命と称するも利用して、平帝の死後、漢の皇帝を践祚(代行)することを名目に、漢の摂皇帝や仮皇帝となり、やがて、符命を理由に漢(前漢)から禅譲を受けて新の皇帝に即位した。 その後、儒教の経書に基づく政治を行うが、名分論をきっかけとした匈奴との戦争や実務と合わない政治などを行い、政治の混乱をまねいた。そのため、内乱により、王莽は殺害され、新はわずか15年で滅亡し、漢が再興し、後漢王朝が建国された。 史書には人格や政治能力に大きな問題がある人物として記され、後世から「簒奪者」として、評価され、強い批判を受けた。

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  • 王 莽(おう もう、前45年 - 23年)は、新朝の皇帝。字は巨君。『漢書』などに記されている「莽」の字の草冠の下の字は大ではなく犬である。 前漢の元帝の皇后の王政君(孝元皇后)の甥で、成帝の母方の従弟にあたる。王曼の次男。子は王宇・王獲・王安・王臨・王興・王匡ら。娘は平帝の皇后王氏・王曄・王捷ら。孫(王宇の子)は王宗。兄は王永。甥(王永の子)は王光。正妻は丞相王訢の孫の宜春侯王咸の娘。 漢の外戚となった王政君の一族である王氏の一員として生まれ、王政君や伯父の王鳳の引き立てで立身し、漢の成帝によって、大司馬に任じられた。成帝の死後、哀帝時代には失脚したが、哀帝の死後は、平帝時代に太皇太后となった王政君により、漢の政治の実権を握った。 儒教の新興による名声の高まりと、天命と称するも利用して、平帝の死後、漢の皇帝を践祚(代行)することを名目に、漢の摂皇帝や仮皇帝となり、やがて、符命を理由に漢(前漢)から禅譲を受けて新の皇帝に即位した。 その後、儒教の経書に基づく政治を行うが、名分論をきっかけとした匈奴との戦争や実務と合わない政治などを行い、政治の混乱をまねいた。そのため、内乱により、王莽は殺害され、新はわずか15年で滅亡し、漢が再興し、後漢王朝が建国された。 史書には人格や政治能力に大きな問題がある人物として記され、後世から「簒奪者」として、評価され、強い批判を受けた。 しかし、近年では、その政策は社会主義的な側面があったことや、後の中国の王朝政治の骨格となった儒教の国教化・祭祀制度・礼楽制度・官僚制・禅譲制度・学校制度などにおいて、大きな影響を与えた改革を行ったことが評価されている。 (ja)
  • 王 莽(おう もう、前45年 - 23年)は、新朝の皇帝。字は巨君。『漢書』などに記されている「莽」の字の草冠の下の字は大ではなく犬である。 前漢の元帝の皇后の王政君(孝元皇后)の甥で、成帝の母方の従弟にあたる。王曼の次男。子は王宇・王獲・王安・王臨・王興・王匡ら。娘は平帝の皇后王氏・王曄・王捷ら。孫(王宇の子)は王宗。兄は王永。甥(王永の子)は王光。正妻は丞相王訢の孫の宜春侯王咸の娘。 漢の外戚となった王政君の一族である王氏の一員として生まれ、王政君や伯父の王鳳の引き立てで立身し、漢の成帝によって、大司馬に任じられた。成帝の死後、哀帝時代には失脚したが、哀帝の死後は、平帝時代に太皇太后となった王政君により、漢の政治の実権を握った。 儒教の新興による名声の高まりと、天命と称するも利用して、平帝の死後、漢の皇帝を践祚(代行)することを名目に、漢の摂皇帝や仮皇帝となり、やがて、符命を理由に漢(前漢)から禅譲を受けて新の皇帝に即位した。 その後、儒教の経書に基づく政治を行うが、名分論をきっかけとした匈奴との戦争や実務と合わない政治などを行い、政治の混乱をまねいた。そのため、内乱により、王莽は殺害され、新はわずか15年で滅亡し、漢が再興し、後漢王朝が建国された。 史書には人格や政治能力に大きな問題がある人物として記され、後世から「簒奪者」として、評価され、強い批判を受けた。 しかし、近年では、その政策は社会主義的な側面があったことや、後の中国の王朝政治の骨格となった儒教の国教化・祭祀制度・礼楽制度・官僚制・禅譲制度・学校制度などにおいて、大きな影響を与えた改革を行ったことが評価されている。 (ja)
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  • 王 莽(おう もう、前45年 - 23年)は、新朝の皇帝。字は巨君。『漢書』などに記されている「莽」の字の草冠の下の字は大ではなく犬である。 前漢の元帝の皇后の王政君(孝元皇后)の甥で、成帝の母方の従弟にあたる。王曼の次男。子は王宇・王獲・王安・王臨・王興・王匡ら。娘は平帝の皇后王氏・王曄・王捷ら。孫(王宇の子)は王宗。兄は王永。甥(王永の子)は王光。正妻は丞相王訢の孫の宜春侯王咸の娘。 漢の外戚となった王政君の一族である王氏の一員として生まれ、王政君や伯父の王鳳の引き立てで立身し、漢の成帝によって、大司馬に任じられた。成帝の死後、哀帝時代には失脚したが、哀帝の死後は、平帝時代に太皇太后となった王政君により、漢の政治の実権を握った。 儒教の新興による名声の高まりと、天命と称するも利用して、平帝の死後、漢の皇帝を践祚(代行)することを名目に、漢の摂皇帝や仮皇帝となり、やがて、符命を理由に漢(前漢)から禅譲を受けて新の皇帝に即位した。 その後、儒教の経書に基づく政治を行うが、名分論をきっかけとした匈奴との戦争や実務と合わない政治などを行い、政治の混乱をまねいた。そのため、内乱により、王莽は殺害され、新はわずか15年で滅亡し、漢が再興し、後漢王朝が建国された。 史書には人格や政治能力に大きな問題がある人物として記され、後世から「簒奪者」として、評価され、強い批判を受けた。 (ja)
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