平帝(へいてい)は、前漢の第14代皇帝。漢の第11代皇帝である元帝の孫にあたる。諱は、箕子であったが、帝位についてから、衎に改名した 。漢の第13代皇帝であり、従兄にあたる哀帝の後を継いで漢の皇帝位につくが、帝位の期間、実権は完全に王莽に握られ、母の一族も王莽によって殺害され、平帝もまた、14歳にして死去した。 前漢の実質的な最後の皇帝であり、王莽に毒殺されたという説も存在するが、平帝の在位期間に、漢王朝は盛大を極めたとも伝えられる。 平帝の在位期間に行われた王莽の礼制や官制を中心とした諸改革は、後に、「元始故事」や「元始中の故事」と呼ばれ、後漢に受け継がれ、さらに「漢魏故事」「漢魏旧制」として、後世の中国の王朝にも大きな影響を与えている。