事大主義(じだいしゅぎ)とは、明確な信念がなく、強いものや風潮に迎合することにより、自己実現を目指す行動様式である。東アジアでは外交政策の方針として用いられたこともある。 事大とは、大に事(つか)えること、つまり、強い勢力に付き従うことを意味し、その語源は『孟子』の「以小事大」(=小を以って大に事える)の一節にある。孟子では、中国の戦国時代の諸国群雄割拠において、越が呉に仕えた例を挙げている。つまり「小国のしたたかな外交政策(知恵)」というのが本来の意味であったが、漢代以降、中国では冊封体制すなわち周辺諸国にとっての事大朝貢体制が築かれることになる。こういった背景から中国(中原)への事大主義と小中華思想は複雑な緊張・影響関係を保った。