ポピュリズム(英: populism)とは、有権者を「エリート」と「大衆」に分けた上で、2つを対立する集団と位置づけ、「大衆」の権利こそ尊重されるべきだと主張する政治思想をいう。日本では、「大衆迎合」「衆愚政治」「扇動政治」「反知性主義」などの意味で使われることが多い。ラテン語のポプルス(populus)=「民」が語源。もともとは19世紀末にアメリカで結党された人民党(People's Party, Populist Party)の政治運動を指す。大衆主義(たいしゅうしゅぎ)や人民主義(じんみんしゅぎ)、平民主義などのほか、否定的な意味を込めて、大衆扇動、衆愚政治や大衆迎合主義(たいしゅうげいごうしゅぎ)などとも訳されている。なお、アメリカでは肯定的に使われる一方、ファシズムを経験した日本、欧州では否定的な意味で使われる傾向がある。そのためポピュリズムということばは価値中立的に用いられることはなく、日欧では、非難されるべき対象や姿勢を名指しする場合に用いられることが多い。 また、同様の思想を持つとされる人物や集団をポピュリスト(英: populist)と呼び、民衆派や大衆主義者、人民主義者、もしくは大衆迎合主義者などと訳される。複数のグループの利害調整は排除し、国内の社会の少数派の意見は尊重しない傾向が強いとされる。