ケシク(モンゴル語: kešik/Хишигтэн、中国語: 怯薛)とはモンゴル帝国において君主(カアン)・皇族を昼夜護衛した親衛隊。kešikの意味については諸説あり、「カアンからの恩寵」を意味するという説が一般的であるが、近年では“kešik”は「輪番[制]」を意味する単語であるとする説が唱えられている。史料上では-tei(〜を有する者)を附して「ケシクテイ(kešiktei)」とも呼称される。 ケシクはカアンの親衛隊・軍の精鋭という軍事的側面の他、カアンの身の回りの世話を行う家政機関としての側面、将来の国政を担う幹部の養成機関としての側面も有しており、多様な目的を持つモンゴル帝国の重要機関であった。そのため、ケシク制度は千人隊制度(ミンガン)と並ぶモンゴル帝国の根幹となる制度と評されている。