蒴果(さくか)(さく果、英: capsule)とは、果実の型の1つであり、複数の心皮(雌しべを構成する葉的要素)からなり、果皮はふつう乾燥しており、裂開して種子を放出する果実のことである。ドクダミ、ユリ、ラン、アヤメ、ネギ、ツユクサ、イグサ、スミレ、ヤナギ、カタバミ、ナデシコ、ツバキ、ツツジ、アサガオ、キキョウなどさまざまな植物に見られる。蒴果は、裂開様式に応じていくつかのタイプに分けられる。特に横裂して蓋がとれるように開く蒴果は蓋果、側面などに孔が開いて種子がこぼれ出る蒴果は孔開蒴果とよばれる。またアブラナ科に見られる蒴果は、2心皮から構成され間に隔膜があり、特に角果とよばれる。 蒴果は種子を放出するため、種子が散布単位になる。蒴果の中には、乾燥した細胞壁の収縮などによって種子をはじき飛ばす機構をもつものもある(スミレ、ホウセンカなど)。また放出される種子は、散布様式に応じた特徴をもつことがある()。