身廊(しんろう, 英: Nave)は、ロマネスク様式やゴシック様式のキリスト教建築の一部分の名称で、入口から主祭壇に向かう中央通路のうちの袖廊に至るまでの部分を指す。 ロマネスク、ゴシック、古典建築のいずれの様式においても、修道院 (abbey)、大聖堂 (cathedral)、バシリカ (basilica)、教会堂 (church) といったキリスト教建築では、入口(拝廊がある場合もある)から内陣に向かっていくつかの廊が伸びている。廊の数は通常奇数であり、教会堂はその数によって単廊式、3廊式、5廊式などに分類される。廊のうち中央に設けられるものは、高い天井と広い幅を有しており、身廊、明示的には主身廊、主廊と呼ばれる。これに対して、身廊の両脇に設けられる天井の低い廊は、側廊と呼ばれる(右の図を参照)。身廊と側廊、または、側廊どうしの間はアーチやアーケードで区切られる。5廊式の教会堂において、側廊の天井が高く、身廊と同様の幅を持つ場合には、「身廊が3つある」という言い方をする場合もある。 身廊を中世ラテン語で navis(「船」の意)といったのは、おそらくそのヴォールトの竜骨形状により連想されたものであろう。 ゴシック建築においては、身廊アーチのベイの数はあまり重視されなかった。