特別市(とくべつし)とは、通常の市とは異なる、何らかの特別な地方自治制度下にある市である。制度の具体的な内容は国によりさまざまだが、自治権が拡大されることが多い。 各国の様々な制度に対する日本語呼称は、漢字圏以外に対しては確立した訳語がないことが多いので、ここでは日本語での呼称に関わらず、日本の地方自治法にかつて規定されていた「特別市」に相当する市を扱う。つまり、階層性のある地方自治制度を有する国家において、都道府県相当の最上位の自治体(広域自治体)と市相当の下位の自治体(基礎自治体のことが多いがさらに下位に特別区相当の自治体を持つこともある)との間で階層縦断的な自治体について述べる。ただし、国によって制度・公用語・歴史的経緯が異なるため、呼称は一定しない。また、必ずしも広域自治体・基礎自治体の権限を双方全て持つとは限らず、広域自治体の性格を持つ基礎自治体、あるいは基礎自治体の性格を持つ広域自治体のような場合もある。 特別市と呼ばれるにもかかわらずこれらに当てはまらない制度もあるが、それらについては簡単に述べるにとどめる。