古フランス語(こフランスご、仏: Ancien français、英: Old French、略: OF)は、9世紀から14世紀にかけて現在のフランス北部を中心に話されていたフランス語およびガロ・ロマンス語の方言連続体。 西ローマ帝国の崩壊(476年)以降、俗ラテン語は地域ごとに分化し、ガリアの俗ラテン語はガロ・ロマンス語と呼ばれる方言群となった。フランス語はそうしたガロ・ロマンス語の一つであるが、古フランス語という際は現代フランス語の直接の祖語だけでなく、ガロ・ロマンス語の諸方言全体を指す。 14世紀にガロ・ロマンス語は、フランス南部のオック語との対比の上で、オイル語として認識されるようになる。ついで14世紀半ばには、オイル語のイル=ド=フランス方言に基づいて中期フランス語が生じた。 古フランス語が土着の言葉として話されていた領域は、おおまかにフランス王国の歴史的領土とその封臣領、ブルゴーニュ公国、さらにロレーヌ公国とサヴォワ伯国を東限としたものである。全体としては現在の北仏および中央フランス、ベルギーのワロン地域、スイス西部、イタリア北部となる。しかし古フランス語の影響が及んだ地域はそれよりずっと広く、イングランドやシチリア、諸十字軍国家に当時の社会における支配階級の言語として、また通商の言語として伝播した。

Property Value
dbo:abstract
  • 古フランス語(こフランスご、仏: Ancien français、英: Old French、略: OF)は、9世紀から14世紀にかけて現在のフランス北部を中心に話されていたフランス語およびガロ・ロマンス語の方言連続体。 西ローマ帝国の崩壊(476年)以降、俗ラテン語は地域ごとに分化し、ガリアの俗ラテン語はガロ・ロマンス語と呼ばれる方言群となった。フランス語はそうしたガロ・ロマンス語の一つであるが、古フランス語という際は現代フランス語の直接の祖語だけでなく、ガロ・ロマンス語の諸方言全体を指す。 14世紀にガロ・ロマンス語は、フランス南部のオック語との対比の上で、オイル語として認識されるようになる。ついで14世紀半ばには、オイル語のイル=ド=フランス方言に基づいて中期フランス語が生じた。 古フランス語が土着の言葉として話されていた領域は、おおまかにフランス王国の歴史的領土とその封臣領、ブルゴーニュ公国、さらにロレーヌ公国とサヴォワ伯国を東限としたものである。全体としては現在の北仏および中央フランス、ベルギーのワロン地域、スイス西部、イタリア北部となる。しかし古フランス語の影響が及んだ地域はそれよりずっと広く、イングランドやシチリア、諸十字軍国家に当時の社会における支配階級の言語として、また通商の言語として伝播した。 (ja)
  • 古フランス語(こフランスご、仏: Ancien français、英: Old French、略: OF)は、9世紀から14世紀にかけて現在のフランス北部を中心に話されていたフランス語およびガロ・ロマンス語の方言連続体。 西ローマ帝国の崩壊(476年)以降、俗ラテン語は地域ごとに分化し、ガリアの俗ラテン語はガロ・ロマンス語と呼ばれる方言群となった。フランス語はそうしたガロ・ロマンス語の一つであるが、古フランス語という際は現代フランス語の直接の祖語だけでなく、ガロ・ロマンス語の諸方言全体を指す。 14世紀にガロ・ロマンス語は、フランス南部のオック語との対比の上で、オイル語として認識されるようになる。ついで14世紀半ばには、オイル語のイル=ド=フランス方言に基づいて中期フランス語が生じた。 古フランス語が土着の言葉として話されていた領域は、おおまかにフランス王国の歴史的領土とその封臣領、ブルゴーニュ公国、さらにロレーヌ公国とサヴォワ伯国を東限としたものである。全体としては現在の北仏および中央フランス、ベルギーのワロン地域、スイス西部、イタリア北部となる。しかし古フランス語の影響が及んだ地域はそれよりずっと広く、イングランドやシチリア、諸十字軍国家に当時の社会における支配階級の言語として、また通商の言語として伝播した。 (ja)
dbo:wikiPageID
  • 468718 (xsd:integer)
dbo:wikiPageLength
  • 23934 (xsd:nonNegativeInteger)
dbo:wikiPageRevisionID
  • 92212546 (xsd:integer)
dbo:wikiPageWikiLink
prop-ja:wikiPageUsesTemplate
dct:subject
rdfs:comment
  • 古フランス語(こフランスご、仏: Ancien français、英: Old French、略: OF)は、9世紀から14世紀にかけて現在のフランス北部を中心に話されていたフランス語およびガロ・ロマンス語の方言連続体。 西ローマ帝国の崩壊(476年)以降、俗ラテン語は地域ごとに分化し、ガリアの俗ラテン語はガロ・ロマンス語と呼ばれる方言群となった。フランス語はそうしたガロ・ロマンス語の一つであるが、古フランス語という際は現代フランス語の直接の祖語だけでなく、ガロ・ロマンス語の諸方言全体を指す。 14世紀にガロ・ロマンス語は、フランス南部のオック語との対比の上で、オイル語として認識されるようになる。ついで14世紀半ばには、オイル語のイル=ド=フランス方言に基づいて中期フランス語が生じた。 古フランス語が土着の言葉として話されていた領域は、おおまかにフランス王国の歴史的領土とその封臣領、ブルゴーニュ公国、さらにロレーヌ公国とサヴォワ伯国を東限としたものである。全体としては現在の北仏および中央フランス、ベルギーのワロン地域、スイス西部、イタリア北部となる。しかし古フランス語の影響が及んだ地域はそれよりずっと広く、イングランドやシチリア、諸十字軍国家に当時の社会における支配階級の言語として、また通商の言語として伝播した。 (ja)
  • 古フランス語(こフランスご、仏: Ancien français、英: Old French、略: OF)は、9世紀から14世紀にかけて現在のフランス北部を中心に話されていたフランス語およびガロ・ロマンス語の方言連続体。 西ローマ帝国の崩壊(476年)以降、俗ラテン語は地域ごとに分化し、ガリアの俗ラテン語はガロ・ロマンス語と呼ばれる方言群となった。フランス語はそうしたガロ・ロマンス語の一つであるが、古フランス語という際は現代フランス語の直接の祖語だけでなく、ガロ・ロマンス語の諸方言全体を指す。 14世紀にガロ・ロマンス語は、フランス南部のオック語との対比の上で、オイル語として認識されるようになる。ついで14世紀半ばには、オイル語のイル=ド=フランス方言に基づいて中期フランス語が生じた。 古フランス語が土着の言葉として話されていた領域は、おおまかにフランス王国の歴史的領土とその封臣領、ブルゴーニュ公国、さらにロレーヌ公国とサヴォワ伯国を東限としたものである。全体としては現在の北仏および中央フランス、ベルギーのワロン地域、スイス西部、イタリア北部となる。しかし古フランス語の影響が及んだ地域はそれよりずっと広く、イングランドやシチリア、諸十字軍国家に当時の社会における支配階級の言語として、また通商の言語として伝播した。 (ja)
rdfs:label
  • 古フランス語 (ja)
  • 古フランス語 (ja)
owl:sameAs
prov:wasDerivedFrom
foaf:isPrimaryTopicOf
is dbo:wikiPageDisambiguates of
is dbo:wikiPageRedirects of
is dbo:wikiPageWikiLink of
is prop-ja:commonLanguages of
is prop-ja:公用語 of
is prop-ja:言語 of
is owl:sameAs of
is foaf:primaryTopic of