言語学における数(すう)とは、語を語形変化させる文法カテゴリーの一つ。数の区別のある多くの言語では単数と複数の2種類があり、指示対象の数量が1であるものを単数、それを超えるものを複数と呼ぶ。 言語によっては、単数・複数以外に、2をあらわすのに特別な形式をもつものがあり、双数(あるいは両数)と呼ばれる。双数は主に、目・耳・腕・足など、1対になっているものや代名詞に用いる。双数を有する言語の例として、アラビア語、スロベニア語、ソルブ語、ハワイ語などが挙げられる。 少数の言語では3つのものを表す三数がある(たとえばバヌアツのアネイチュム語)。 抽象名詞や物質を表す名詞の多くは不可算名詞であり、原則として単数として扱われる。逆に(英語 people「人々」、cattle「牛」など)は常に複数として扱われる。英語clothes「衣服」、series「系列」、species「種」のような複数専用名詞も存在する。 単数形と複数形で意味が異なることもある。英語のmannerは「方法」という意味だが、「マナー」の意味では複数形が使われる。フランス語のciseauは「のみ」を意味するが、複数のciseauxは「はさみ」である。 ひとつの単数形に複数の複数形が対応することがある。英語brotherに対するbrothers(兄弟たち)とbrethren(同業者仲間)など。