精神医学(せいしんいがく、英語: psychiatry)は、各種の精神障害・精神疾患に関する診断、予防、治療、研究を行う医学の一分野である。 1899年のエミール・クレペリンの功績によって、精神障害を分類することが試みられ、これは現在のアメリカ精神医学会(APA)による『精神障害の診断と統計マニュアル』(DSM)が作成されるに至っている。生物学的な識別に基づかない記述精神医学である。 1950年代より精神科の薬が登場し、生物学的精神医学が全盛を迎えたほか、ECT(電気痙攣療法)や改良を加えたmECT(修正型電気痙攣療法)、rTMS(反復経頭蓋磁気刺激法)といった、新しい神経精神医学的な治療法も出現している。 精神医学はウイルス学や免疫学、脳神経内科学や分子遺伝医学、計算論的精神医学(コンピュータ的精神医学)などとも連携している。精神障害が増悪・寛解を繰り返すことから、何らかのウイルス感染症が精神障害の病因に関わっていると疑われている。病的疲労またはうつ病の場合、ヒトヘルペスウイルス6型の生んだ遺伝子SITH-1が脳神経細胞(嗅球)の一部を細胞死させて発症する、というメカニズムが解明されてきている。