コサック(ウクライナ語: козак、ロシア語: казак、日本語では哥薩克とも表記は、ウクライナやロシアに存在した軍事的共同体、およびその共同体に属した人々を指す語である。周囲の封建国家や遊牧民に対する防衛のため、一種の軍事共同体を組織した。特定の民族を示す語ではなく、チュルク系民族、タタール、スラブ人など様々な民族的出自の人々がその構成要素となった。 15世紀にはウクライナ中南部の「荒野」と呼ばれる草原地帯に住み着いていた。16世紀半ば以降、ドニエプル川の中流を中心とするザポロージャ地方やドン川の下流に根拠地を築き、それぞれザポロージャ・コサック(ウクライナ・コサック)およびドン・コサックと呼ばれた。 帝政ロシアはコサックを国境警備や領土拡張の先兵、国内の民衆運動の鎮圧などの任にあてた。19世紀以降、コサックはロシアにおいて貴族・聖職者・農民・商人とならぶ階級の一つとなり、税金免除と引き換えに兵役義務が課され、植民政策における開拓、国境防備、治安維持などに従事した。ロシア内戦中の1919年から1920年にかけては弾圧の対象となり、多数のコサックが離散した。