2019年に発生した新型コロナウイルス感染症(しんがたコロナウイルスかんせんしょう)は、世界保健機関 (WHO) による国際正式名称をCOVID-19といい、SARSコロナウイルス2 (SARS-CoV-2) がヒトに感染することによって発症する気道感染症(ウイルス性の広義の感冒の一種)である。2020年に入ってから世界中で感染が拡大し、2022年8月までに感染者数は累計6億人を超え、世界的流行(パンデミック)をもたらしている。 無症状の感染者(無症候性キャリア含む)もいるが、発症した場合の症状は様々で軽症から重症まで多岐にわたる。一般的な症状には、頭痛・嗅覚や味覚の消失・鼻詰まり(鼻閉)及び鼻漏・咳・筋肉痛・咽頭痛・発熱・下痢・呼吸困難がある。多くの場合、無症状または風邪様症状を伴う軽症で自然治癒するが、重症では急性呼吸窮迫症候群や敗血症・多臓器不全を伴う。81%の患者は軽度から中等の症状(軽度の肺炎まで)であり、14%は重度の症状(呼吸困難、低酸素症、X線写真で肺の50%以上が映る)となり、5%は致命的な症状(呼吸不全、ショック、多臓器不全)となる。ウイルスに感染した人の少なくとも3分の1は、どの時点でも目立った症状はない。

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  • 2019年に発生した新型コロナウイルス感染症(しんがたコロナウイルスかんせんしょう)は、世界保健機関 (WHO) による国際正式名称をCOVID-19といい、SARSコロナウイルス2 (SARS-CoV-2) がヒトに感染することによって発症する気道感染症(ウイルス性の広義の感冒の一種)である。2020年に入ってから世界中で感染が拡大し、2022年8月までに感染者数は累計6億人を超え、世界的流行(パンデミック)をもたらしている。 無症状の感染者(無症候性キャリア含む)もいるが、発症した場合の症状は様々で軽症から重症まで多岐にわたる。一般的な症状には、頭痛・嗅覚や味覚の消失・鼻詰まり(鼻閉)及び鼻漏・咳・筋肉痛・咽頭痛・発熱・下痢・呼吸困難がある。多くの場合、無症状または風邪様症状を伴う軽症で自然治癒するが、重症では急性呼吸窮迫症候群や敗血症・多臓器不全を伴う。81%の患者は軽度から中等の症状(軽度の肺炎まで)であり、14%は重度の症状(呼吸困難、低酸素症、X線写真で肺の50%以上が映る)となり、5%は致命的な症状(呼吸不全、ショック、多臓器不全)となる。ウイルスに感染した人の少なくとも3分の1は、どの時点でも目立った症状はない。 予後については、ハーバード大学医学部と米国疾病予防管理センターは、COVID-19の生存者は軽症であっても、思考力や集中力を含む長期的な神経学的影響を受ける可能性があると指摘している。米国シカゴの大規模医療センターの医師によると、多くのCOVID-19の生存者に脳損傷が発生し、広範囲に及ぶ認知、行動、心理的問題を引き起こす可能性があるという証拠が増えている。後遺症が長い場合は1年以上続く感染経験者もいる。WHOが2021年10月に初めて公表した後遺症の定義は「ウイルス感染確認から3カ月以内に発症し、2カ月以上続き、他の病気では説明できない症状」としている(「」で詳説)。 原因ウイルスは変異しており、感染力が強いSARSコロナウイルス2の変異株について、日本感染症学会は「別のウイルスと捉えて対応すべき」と提唱しているが、従来のCOVID-19ワクチンが、特にブースターショットを受けた人々にとって、重篤な症状、入院、および死亡の可能性を大幅に減らすことを示す証拠が得られている。 感染経路は飛沫感染やエアロゾル感染などであり、予防には、ウイルスを持っている可能性がある人との狭い空間での会話を避けることや衛生マスクが重要となる。オミクロン株はこれまでに出会った中で最も伝染性の高い変異株であるため、高品質でフィット感のあるKN95、KF94、およびN95マスクがこれまで以上に重要になっている。 日本においては、2020年時点では感染症法に基づいて強制入院などの措置を取ることができる指定感染症(二類感染症相当)に指定されたほか、新型インフルエンザ等対策特別措置法上も期限付きで新型インフルエンザ等とみなされ、日本国政府が緊急事態宣言を発令できるようになった(令和2年法律第4号に基づく)。 2019年12月に中華人民共和国湖北省武漢市で初めて検出された新興感染症で、一般に武漢市から世界各地に感染が拡大(パンデミック)したと考えられているが、バルセロナ大学(スペイン)の発表によると2019年3月に採取した廃水から新型コロナウイルスが検出されている。イタリアの国立がん研究所の研究によると2019年9月に採取した同国での肺がん検査受診者の血液中から新型コロナウイルスの抗体が検出されており、武漢市で報告される前から、世界中にウイルスが広まっていた可能性が、2020年3月時点で指摘されている。 当感染症の世界的な流行事態については「新型コロナウイルス感染症の世界的流行 (2019年-)」を参照国・地域ごとの流行状況については「国・地域毎の2019年コロナウイルス感染症流行状況」を参照日本における流行状況については「日本における2019年コロナウイルス感染症の流行状況」を参照 (ja)
  • 2019年に発生した新型コロナウイルス感染症(しんがたコロナウイルスかんせんしょう)は、世界保健機関 (WHO) による国際正式名称をCOVID-19といい、SARSコロナウイルス2 (SARS-CoV-2) がヒトに感染することによって発症する気道感染症(ウイルス性の広義の感冒の一種)である。2020年に入ってから世界中で感染が拡大し、2022年8月までに感染者数は累計6億人を超え、世界的流行(パンデミック)をもたらしている。 無症状の感染者(無症候性キャリア含む)もいるが、発症した場合の症状は様々で軽症から重症まで多岐にわたる。一般的な症状には、頭痛・嗅覚や味覚の消失・鼻詰まり(鼻閉)及び鼻漏・咳・筋肉痛・咽頭痛・発熱・下痢・呼吸困難がある。多くの場合、無症状または風邪様症状を伴う軽症で自然治癒するが、重症では急性呼吸窮迫症候群や敗血症・多臓器不全を伴う。81%の患者は軽度から中等の症状(軽度の肺炎まで)であり、14%は重度の症状(呼吸困難、低酸素症、X線写真で肺の50%以上が映る)となり、5%は致命的な症状(呼吸不全、ショック、多臓器不全)となる。ウイルスに感染した人の少なくとも3分の1は、どの時点でも目立った症状はない。 予後については、ハーバード大学医学部と米国疾病予防管理センターは、COVID-19の生存者は軽症であっても、思考力や集中力を含む長期的な神経学的影響を受ける可能性があると指摘している。米国シカゴの大規模医療センターの医師によると、多くのCOVID-19の生存者に脳損傷が発生し、広範囲に及ぶ認知、行動、心理的問題を引き起こす可能性があるという証拠が増えている。後遺症が長い場合は1年以上続く感染経験者もいる。WHOが2021年10月に初めて公表した後遺症の定義は「ウイルス感染確認から3カ月以内に発症し、2カ月以上続き、他の病気では説明できない症状」としている(「」で詳説)。 原因ウイルスは変異しており、感染力が強いSARSコロナウイルス2の変異株について、日本感染症学会は「別のウイルスと捉えて対応すべき」と提唱しているが、従来のCOVID-19ワクチンが、特にブースターショットを受けた人々にとって、重篤な症状、入院、および死亡の可能性を大幅に減らすことを示す証拠が得られている。 感染経路は飛沫感染やエアロゾル感染などであり、予防には、ウイルスを持っている可能性がある人との狭い空間での会話を避けることや衛生マスクが重要となる。オミクロン株はこれまでに出会った中で最も伝染性の高い変異株であるため、高品質でフィット感のあるKN95、KF94、およびN95マスクがこれまで以上に重要になっている。 日本においては、2020年時点では感染症法に基づいて強制入院などの措置を取ることができる指定感染症(二類感染症相当)に指定されたほか、新型インフルエンザ等対策特別措置法上も期限付きで新型インフルエンザ等とみなされ、日本国政府が緊急事態宣言を発令できるようになった(令和2年法律第4号に基づく)。 2019年12月に中華人民共和国湖北省武漢市で初めて検出された新興感染症で、一般に武漢市から世界各地に感染が拡大(パンデミック)したと考えられているが、バルセロナ大学(スペイン)の発表によると2019年3月に採取した廃水から新型コロナウイルスが検出されている。イタリアの国立がん研究所の研究によると2019年9月に採取した同国での肺がん検査受診者の血液中から新型コロナウイルスの抗体が検出されており、武漢市で報告される前から、世界中にウイルスが広まっていた可能性が、2020年3月時点で指摘されている。 当感染症の世界的な流行事態については「新型コロナウイルス感染症の世界的流行 (2019年-)」を参照国・地域ごとの流行状況については「国・地域毎の2019年コロナウイルス感染症流行状況」を参照日本における流行状況については「日本における2019年コロナウイルス感染症の流行状況」を参照 (ja)
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  • 新型コロナウイルス感染症 (2019年) (ja)
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