ステロイド (steroid) は、天然に存在するトリテルペノイドの一種である。(ステラン)を基本骨格とし、それに官能基が付随したものを指す。通常はC-10とC-13にメチル基を、また多くの場合C-17にアルキル基を有する。共通して、ステロイド骨格(ステラン核)は、3つのイス型六員環と1つの五員環がつながった4縮合環構造を持っている。ステロイド骨格そのものは脂溶性(疎水性)で水に不溶であるが、C-3位がヒドロキシル化されあるいはカルボニル基となったステロール類やステロイドホルモンなどは水溶性である。ステロールはステロイドのサブグループであり、C-3にヒドロキシ基を有するステロイド化合物である。動物が普遍的に合成するコレステロールは最もよく知られるステロールのひとつである。 何百もの異なるステロイドが真核生物(植物、動物、菌類など)で見つかっているが、すべてのステロイドはラノステロール(動物および菌類)または(それ以外の真核生物)と呼ばれる出発物質(プロトステロールとも呼ばれる)から生成される。プロトステロールは、トリテルペンの一種であるスクアレンがエポキシ化ののち環化されてステロイド骨格を形成したものである。

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  • ステロイド (steroid) は、天然に存在するトリテルペノイドの一種である。(ステラン)を基本骨格とし、それに官能基が付随したものを指す。通常はC-10とC-13にメチル基を、また多くの場合C-17にアルキル基を有する。共通して、ステロイド骨格(ステラン核)は、3つのイス型六員環と1つの五員環がつながった4縮合環構造を持っている。ステロイド骨格そのものは脂溶性(疎水性)で水に不溶であるが、C-3位がヒドロキシル化されあるいはカルボニル基となったステロール類やステロイドホルモンなどは水溶性である。ステロールはステロイドのサブグループであり、C-3にヒドロキシ基を有するステロイド化合物である。動物が普遍的に合成するコレステロールは最もよく知られるステロールのひとつである。 何百もの異なるステロイドが真核生物(植物、動物、菌類など)で見つかっているが、すべてのステロイドはラノステロール(動物および菌類)または(それ以外の真核生物)と呼ばれる出発物質(プロトステロールとも呼ばれる)から生成される。プロトステロールは、トリテルペンの一種であるスクアレンがエポキシ化ののち環化されてステロイド骨格を形成したものである。 ステロイドは、ほとんどの真核生物に存在しており、自身の生体内にて生合成される。中性脂質やタンパク質、糖類とともに細胞膜の重要な構成成分となっているほか、胆汁に含まれる胆汁酸や生体維持に重要なホルモン類(副腎皮質ホルモンや昆虫の変態ホルモンなど)として、幅広く利用されている。一部の真核生物では自身でステロイドの合成ができず、環境中からステロイドを摂取する(昆虫、繊毛虫など)。 (ja)
  • ステロイド (steroid) は、天然に存在するトリテルペノイドの一種である。(ステラン)を基本骨格とし、それに官能基が付随したものを指す。通常はC-10とC-13にメチル基を、また多くの場合C-17にアルキル基を有する。共通して、ステロイド骨格(ステラン核)は、3つのイス型六員環と1つの五員環がつながった4縮合環構造を持っている。ステロイド骨格そのものは脂溶性(疎水性)で水に不溶であるが、C-3位がヒドロキシル化されあるいはカルボニル基となったステロール類やステロイドホルモンなどは水溶性である。ステロールはステロイドのサブグループであり、C-3にヒドロキシ基を有するステロイド化合物である。動物が普遍的に合成するコレステロールは最もよく知られるステロールのひとつである。 何百もの異なるステロイドが真核生物(植物、動物、菌類など)で見つかっているが、すべてのステロイドはラノステロール(動物および菌類)または(それ以外の真核生物)と呼ばれる出発物質(プロトステロールとも呼ばれる)から生成される。プロトステロールは、トリテルペンの一種であるスクアレンがエポキシ化ののち環化されてステロイド骨格を形成したものである。 ステロイドは、ほとんどの真核生物に存在しており、自身の生体内にて生合成される。中性脂質やタンパク質、糖類とともに細胞膜の重要な構成成分となっているほか、胆汁に含まれる胆汁酸や生体維持に重要なホルモン類(副腎皮質ホルモンや昆虫の変態ホルモンなど)として、幅広く利用されている。一部の真核生物では自身でステロイドの合成ができず、環境中からステロイドを摂取する(昆虫、繊毛虫など)。 (ja)
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  • ステロイド (steroid) は、天然に存在するトリテルペノイドの一種である。(ステラン)を基本骨格とし、それに官能基が付随したものを指す。通常はC-10とC-13にメチル基を、また多くの場合C-17にアルキル基を有する。共通して、ステロイド骨格(ステラン核)は、3つのイス型六員環と1つの五員環がつながった4縮合環構造を持っている。ステロイド骨格そのものは脂溶性(疎水性)で水に不溶であるが、C-3位がヒドロキシル化されあるいはカルボニル基となったステロール類やステロイドホルモンなどは水溶性である。ステロールはステロイドのサブグループであり、C-3にヒドロキシ基を有するステロイド化合物である。動物が普遍的に合成するコレステロールは最もよく知られるステロールのひとつである。 何百もの異なるステロイドが真核生物(植物、動物、菌類など)で見つかっているが、すべてのステロイドはラノステロール(動物および菌類)または(それ以外の真核生物)と呼ばれる出発物質(プロトステロールとも呼ばれる)から生成される。プロトステロールは、トリテルペンの一種であるスクアレンがエポキシ化ののち環化されてステロイド骨格を形成したものである。 (ja)
  • ステロイド (steroid) は、天然に存在するトリテルペノイドの一種である。(ステラン)を基本骨格とし、それに官能基が付随したものを指す。通常はC-10とC-13にメチル基を、また多くの場合C-17にアルキル基を有する。共通して、ステロイド骨格(ステラン核)は、3つのイス型六員環と1つの五員環がつながった4縮合環構造を持っている。ステロイド骨格そのものは脂溶性(疎水性)で水に不溶であるが、C-3位がヒドロキシル化されあるいはカルボニル基となったステロール類やステロイドホルモンなどは水溶性である。ステロールはステロイドのサブグループであり、C-3にヒドロキシ基を有するステロイド化合物である。動物が普遍的に合成するコレステロールは最もよく知られるステロールのひとつである。 何百もの異なるステロイドが真核生物(植物、動物、菌類など)で見つかっているが、すべてのステロイドはラノステロール(動物および菌類)または(それ以外の真核生物)と呼ばれる出発物質(プロトステロールとも呼ばれる)から生成される。プロトステロールは、トリテルペンの一種であるスクアレンがエポキシ化ののち環化されてステロイド骨格を形成したものである。 (ja)
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