中戦車(ちゅうせんしゃ)は、戦車の種別の一つで、軽戦車と重戦車の中間に位置するもの。主に対戦車戦闘を含む機動戦に用いられる。 どの程度の重量の戦車を中戦車とするのかは国や時代によって大きく異なる。戦車は第二次世界大戦中に、驚異的な進化を遂げ、重量や能力が加速度的に増加したため、同じ中戦車とされる戦車でも差が大きい。 また、イギリスは第一次世界大戦中から大戦間期にかけて中戦車(Medium tank)の戦力化を進めていたが、財政難からより廉価な巡航戦車と歩兵戦車という独自の区分に整理され、以後は重・中・軽という重量分類を行わなくなった。日本では1935年まで中戦車という区分・概念がなかった。これは戦車戦力を、「重装だが遅い」ものと「軽弱だが速い」ものに区分していたが、中国大陸における戦訓から重戦車の遅さが問題視され、軽戦車との中庸程度の車両を志向した結果である。従って日本軍における中戦車は重戦車に取って代わるものであり、以後日本は重戦車の戦力化が大きく立ち遅れることとなった。