『ヨハネの黙示録』(ヨハネのもくしろく 古代ギリシア語: Ἀποκάλυψις Ἰωάννου、ラテン語: Apocalypsis Iōannis、英語: Revelation)は、『新約聖書』の最後に配された聖典であり、『新約聖書』の中で唯一預言書的性格を持つ書である。 『ヨハネの黙示録』は、単に『黙示録』あるいは『ヨハネによる黙示録』、『神学者聖イオアンの黙示録』(日本ハリストス正教会)、『使徒聖ヨハネ黙示録』(天主公教会)、『ヨハネへの啓示』(新世界訳聖書)ともいわれる。 タイトルの「黙示」とはギリシア語の「アポカリュプシス(古代ギリシア語: Ἀποκάλυψις)」の訳であり、καλύπτω(覆う)に接頭辞のἀπό(離れて)が組み合わさったἀποκαλύπτω(明かす、明らかにする)という動詞に、-σιςという抽象名詞を作る接尾辞が付いた複合語である。英語では「Revelation」と言い、上記と同義のラテン語であるrevēlātiō(暴露、すっぱ抜き)に由来する。『黙示録』はキリスト教徒の間でも、その解釈と正典への受け入れをめぐって多くの論議を呼びおこしてきた書物である。ヨハネの黙示録は2世紀に書かれたと言われているムラトリ正典目録に含まれており、西暦397年に開催されたカルタゴ会議では、ヨハネの黙示録を含む27文書が正典として認められた。