トリブス(ラテン語: Tribus)は、古代ローマの行政区画。ここでは主に王政期と共和政期のトリブスについて扱う。 トリブスとは、投票権を持つ完全なローマ市民権(civitas optimo iure)を持った市民を、ケンスス(国勢調査)時に居住地や資産の場所に応じて各トリブスに登録していったもので、トリブス民会の投票単位でもあり、徴税や募兵のための単位となった行政区画であった。 ローマ市内を4つに区切った都市トリブス(tribus urbana)と、郊外に位置した農村トリブス(tribus rustica)とに分けて扱われ、紀元前5世紀の時点で17の農村トリブスがあったと考えられている。その後、共和政ローマの伸張に伴い農村トリブスの数が増やされた。紀元前241年に最後の追加が行われ、最終的には4つの都市トリブスと31の農村トリブスの合計35トリブスとなった。