キセノン(英: xenon、独: Xenon [ˈkseːnɔn])は原子番号54の元素。元素記号はXe。貴ガス元素の一つ。ラムゼー (W. Ramsay) と (M. W. Travers) によって1898年に発見された。 常温常圧では無色無臭の気体。融点-111.9 °C、沸点-108.1 °C。空気中にもごく僅かに(約0.087 ppm)含まれる。固体では安定な面心立方構造をとる。 一般に貴ガスは最外殻電子が閉殻構造をとるため、反応性はほとんど見られない。しかし、キセノンの最外殻 (5s25p6) は原子核からの距離が離れているため、他の電子による遮蔽効果によって束縛が弱まっており、比較的イオン化しやすい(イオン化エネルギーが他の貴ガス元素に比べて相対的に低い)。このため、反応性の強いフッ素や酸素と反応して、フッ化物や酸化物を形成する。