気体定数(きたいていすう、英: gas constant)は、理想気体の状態方程式における定数として導入される物理定数である。理想気体だけでなく、実在気体や液体における量を表すときにも用いられる。理想気体の多寡を物質量で表す場合は、気体定数は気体の種類に依らない普遍定数であり、特に普遍気体定数やモル気体定数(molar gas constant)と呼び分けられる。理学系、特に物理学において気体定数と呼ぶ場合は、基本的にモル気体定数を指している。 気体定数の測定法としては、低圧の領域で状態方程式から計算する方法もあるが、低圧で音速測定を行い、そこから求めるほうが正確に得られる。 モル気体定数は、ボルツマン定数 k とアボガドロ定数 NA の積である。2019年5月20日に発効したSIの再定義において、ボルツマン定数とアボガドロ定数はSIを定義する定義定数として位置付けられ、これらのSIによる値は定義値となった。従ってモル気体定数のSIによる値も定義値であり、正確に、 R = 1.380649×10−23 J/K × 6.02214076×1023 mol−1 = 8.31446261815324 J⋅K−1⋅mol−1 である。ただし、CODATA2018では、上記の値の10桁のみを表示し、 (正確に) としている。