植物園(しょくぶつえん、英語:botanical garden, botanic garden)とは、単なる庭園ではなく、英語を直訳すれば「植物学庭園」となるように、大学や研究機関が植物学研究のために用いる植物(花卉・樹木)を、収集・分類・栽培し、さらにそれらの標本(押し葉標本など)を保管するための施設である。したがって、植物園は狭義の庭園(圃場)だけでなく、植物標本館(ハーバリウム)も園内に有する。 植物園は多くの機能をもつ()。とりわけ遺伝資源収集の拠点、すなわち種子銀行として役割が大きい。一定の専門性をもつ植物園もあり、薬草(薬用植物)や香草のための薬園・ハーブ園、あるいは帰化植物や世界各地の植物、例えばサボテンなどの多肉植物、熱帯植物、高山植物などを栽培するための温室・日よけなどを備える場合もある。植物園は、公園と同様の憩いの場、あるいは観光施設として市民に開放されていることもあり、ツアー、教育展、美術展、図書室、野外演劇や演奏会のための場を提供することもある。環境保全(保全生態学)や持続可能性についての啓発活動が行われることもある。