イギリス帝国(イギリスていこく、英語: British Empire, Empire of Great Britain)は、イギリスとその植民地・海外領土などの総称である。別名は大英帝国(だいえいていこく)、グレートブリテン帝国ともいい、「グレートブリテン」(大英)という地名は「リトルブリテン」との区別に由来する。 帝国は時代ごとの性質により、以下のように区分される。 1. * アイルランドや北アメリカ大陸に入植し、北米植民地およびカリブ海植民地との貿易を中心にした時代。 2. * アメリカ独立からアジア・アフリカに転じて最盛期を築いた19世紀半ばまでの自由貿易時代。 3. * 自由貿易を維持しつつもドイツ帝国など後発工業国の追い上げを受け植民地拡大を行った帝国主義時代。 4. * 20世紀に入って各植民地が独自の外交権限を得たウェストミンスター憲章以後の時代。 一般に大英帝国と呼ばれるのは、特に3と4の時代である。1と2を「第1帝国」、3と4を「第2帝国」と呼び、後者の繁栄を象徴するものとしてはイースタン・テレグラフ・カンパニー(大東電信会社)の海底ケーブルが挙げられる。また大英帝国の植民地支配が世界中に広がったことで英語が世界の多くの地域で日常語、公用語として用いられるようになった。その結果、英語は事実上の国際語、世界共通語として用いられるようになった。

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  • イギリス帝国(イギリスていこく、英語: British Empire, Empire of Great Britain)は、イギリスとその植民地・海外領土などの総称である。別名は大英帝国(だいえいていこく)、グレートブリテン帝国ともいい、「グレートブリテン」(大英)という地名は「リトルブリテン」との区別に由来する。 帝国は時代ごとの性質により、以下のように区分される。 1. * アイルランドや北アメリカ大陸に入植し、北米植民地およびカリブ海植民地との貿易を中心にした時代。 2. * アメリカ独立からアジア・アフリカに転じて最盛期を築いた19世紀半ばまでの自由貿易時代。 3. * 自由貿易を維持しつつもドイツ帝国など後発工業国の追い上げを受け植民地拡大を行った帝国主義時代。 4. * 20世紀に入って各植民地が独自の外交権限を得たウェストミンスター憲章以後の時代。 一般に大英帝国と呼ばれるのは、特に3と4の時代である。1と2を「第1帝国」、3と4を「第2帝国」と呼び、後者の繁栄を象徴するものとしてはイースタン・テレグラフ・カンパニー(大東電信会社)の海底ケーブルが挙げられる。また大英帝国の植民地支配が世界中に広がったことで英語が世界の多くの地域で日常語、公用語として用いられるようになった。その結果、英語は事実上の国際語、世界共通語として用いられるようになった。 1898年当時ハリファックスからネルソン (ニュージーランド) まで世界横断したC&Wのケーブルは、鉱産資源が産出するバルパライソ-ブエノスアイレス-モンテビデオ間、ケープタウン-ダーバン間、ムンバイ-チェンナイ間、ダーウィン (ノーザンテリトリー)-アデレード-シドニー間の4区間だけ陸上を通った。これらの鉱産資源は大英帝国の手中にあり、今日も英米系大企業が利権を維持している。 大英帝国は、その全盛期には全世界の陸地と人口の4分の1を版図に収めた世界史上最大の面積を誇った帝国である。唯一の超大国と呼べる地位にあり、第一次世界大戦終結から第二次世界大戦までの間は、アメリカ合衆国とともに超大国であった。第二次世界大戦後、イギリスは各植民地を独立させることでイギリス連邦を発足させ、超大国の地位から離れた。 イギリス帝国の終期は諸説あるが、早いものでは第一次世界大戦後のアメリカ合衆国の台頭や、ウェストミンスター憲章制定を以て終わりとする説、遅いものでは第二次世界大戦後の1947年に、最大の植民地であるイギリス領インド帝国がインドとパキスタンとして独立し、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドのアングロサクソン移民地域も主権国家として独立した時期とする説などがある。 イギリス最後の植民地は香港であり、1997年の香港返還をもって一般的にイギリスではイギリス帝国の時代は終焉したとされている。 (ja)
  • イギリス帝国(イギリスていこく、英語: British Empire, Empire of Great Britain)は、イギリスとその植民地・海外領土などの総称である。別名は大英帝国(だいえいていこく)、グレートブリテン帝国ともいい、「グレートブリテン」(大英)という地名は「リトルブリテン」との区別に由来する。 帝国は時代ごとの性質により、以下のように区分される。 1. * アイルランドや北アメリカ大陸に入植し、北米植民地およびカリブ海植民地との貿易を中心にした時代。 2. * アメリカ独立からアジア・アフリカに転じて最盛期を築いた19世紀半ばまでの自由貿易時代。 3. * 自由貿易を維持しつつもドイツ帝国など後発工業国の追い上げを受け植民地拡大を行った帝国主義時代。 4. * 20世紀に入って各植民地が独自の外交権限を得たウェストミンスター憲章以後の時代。 一般に大英帝国と呼ばれるのは、特に3と4の時代である。1と2を「第1帝国」、3と4を「第2帝国」と呼び、後者の繁栄を象徴するものとしてはイースタン・テレグラフ・カンパニー(大東電信会社)の海底ケーブルが挙げられる。また大英帝国の植民地支配が世界中に広がったことで英語が世界の多くの地域で日常語、公用語として用いられるようになった。その結果、英語は事実上の国際語、世界共通語として用いられるようになった。 1898年当時ハリファックスからネルソン (ニュージーランド) まで世界横断したC&Wのケーブルは、鉱産資源が産出するバルパライソ-ブエノスアイレス-モンテビデオ間、ケープタウン-ダーバン間、ムンバイ-チェンナイ間、ダーウィン (ノーザンテリトリー)-アデレード-シドニー間の4区間だけ陸上を通った。これらの鉱産資源は大英帝国の手中にあり、今日も英米系大企業が利権を維持している。 大英帝国は、その全盛期には全世界の陸地と人口の4分の1を版図に収めた世界史上最大の面積を誇った帝国である。唯一の超大国と呼べる地位にあり、第一次世界大戦終結から第二次世界大戦までの間は、アメリカ合衆国とともに超大国であった。第二次世界大戦後、イギリスは各植民地を独立させることでイギリス連邦を発足させ、超大国の地位から離れた。 イギリス帝国の終期は諸説あるが、早いものでは第一次世界大戦後のアメリカ合衆国の台頭や、ウェストミンスター憲章制定を以て終わりとする説、遅いものでは第二次世界大戦後の1947年に、最大の植民地であるイギリス領インド帝国がインドとパキスタンとして独立し、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドのアングロサクソン移民地域も主権国家として独立した時期とする説などがある。 イギリス最後の植民地は香港であり、1997年の香港返還をもって一般的にイギリスではイギリス帝国の時代は終焉したとされている。 (ja)
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  • イギリス帝国統治下の経験を有する国・地域。現在のイギリスの海外領土は赤い下線が引いてある。 (ja)
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  • アメリカ合衆国の独立を承認 (ja)
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  • ウェストミンスター憲章 (ja)
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  • 香港返還 (ja)
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  • ニューファンドランド ニューファンドランド自治領 (ja)
  • グレートブリテン及び北アイルランド連合王国 (ja)
  • 南アフリカ連邦 (ja)
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  • イギリス (ja)
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  • イギリス帝国(イギリスていこく、英語: British Empire, Empire of Great Britain)は、イギリスとその植民地・海外領土などの総称である。別名は大英帝国(だいえいていこく)、グレートブリテン帝国ともいい、「グレートブリテン」(大英)という地名は「リトルブリテン」との区別に由来する。 帝国は時代ごとの性質により、以下のように区分される。 1. * アイルランドや北アメリカ大陸に入植し、北米植民地およびカリブ海植民地との貿易を中心にした時代。 2. * アメリカ独立からアジア・アフリカに転じて最盛期を築いた19世紀半ばまでの自由貿易時代。 3. * 自由貿易を維持しつつもドイツ帝国など後発工業国の追い上げを受け植民地拡大を行った帝国主義時代。 4. * 20世紀に入って各植民地が独自の外交権限を得たウェストミンスター憲章以後の時代。 一般に大英帝国と呼ばれるのは、特に3と4の時代である。1と2を「第1帝国」、3と4を「第2帝国」と呼び、後者の繁栄を象徴するものとしてはイースタン・テレグラフ・カンパニー(大東電信会社)の海底ケーブルが挙げられる。また大英帝国の植民地支配が世界中に広がったことで英語が世界の多くの地域で日常語、公用語として用いられるようになった。その結果、英語は事実上の国際語、世界共通語として用いられるようになった。 (ja)
  • イギリス帝国(イギリスていこく、英語: British Empire, Empire of Great Britain)は、イギリスとその植民地・海外領土などの総称である。別名は大英帝国(だいえいていこく)、グレートブリテン帝国ともいい、「グレートブリテン」(大英)という地名は「リトルブリテン」との区別に由来する。 帝国は時代ごとの性質により、以下のように区分される。 1. * アイルランドや北アメリカ大陸に入植し、北米植民地およびカリブ海植民地との貿易を中心にした時代。 2. * アメリカ独立からアジア・アフリカに転じて最盛期を築いた19世紀半ばまでの自由貿易時代。 3. * 自由貿易を維持しつつもドイツ帝国など後発工業国の追い上げを受け植民地拡大を行った帝国主義時代。 4. * 20世紀に入って各植民地が独自の外交権限を得たウェストミンスター憲章以後の時代。 一般に大英帝国と呼ばれるのは、特に3と4の時代である。1と2を「第1帝国」、3と4を「第2帝国」と呼び、後者の繁栄を象徴するものとしてはイースタン・テレグラフ・カンパニー(大東電信会社)の海底ケーブルが挙げられる。また大英帝国の植民地支配が世界中に広がったことで英語が世界の多くの地域で日常語、公用語として用いられるようになった。その結果、英語は事実上の国際語、世界共通語として用いられるようになった。 (ja)
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  • イギリス帝国 (ja)
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