『斗南先生』(となんせんせい)は、中島敦の短編小説。全7章から成る。中島が親族の中で最も強く影響を受けた伯父の斗南()の晩年を、似通う気質を持つ甥の視点から活写した私記的作品である。 職業作家を本格的に目指した中島が、東京帝国大学在学中に執筆した小説で、第一高等学校時代の習作を別とすれば、中島の実質的な出発を示す処女作に位置づけられている。自身を仮託した主人公「三造」が登場する自己検証・自己分析的な作品群の最初の一編でもある。