蹄鉄(ていてつ)は、主に馬の蹄(ひづめ)を保護するために装着される、U字型の保護具である。 蹄鉄は蹄の破損を防止し、摩耗を防ぐために用いられる。野生の馬と異なり、家畜の馬は蹄が弱くて摩耗してしまう(詳しくは後述)。これを避けるために蹄鉄が考案された。同様の理由で、ロバや役牛用の蹄鉄もある(牛蹄鉄)。 はじめに蹄鉄が西洋の文献に現れるのは、4 世紀にギリシア人によってもたらされてからで、様々な品種の馬、および様々な用途のために改良が加えられ、素材も様々なものが使用された。 鉄、アルミニウム、ゴム、プラスチック、牛皮、またはそれらを組み合わせた素材で作られる。一般的な素材は鉄だが、日本の競馬においては軽量なアルミニウム合金が用いられている 。その他、マグネシウムやチタンあるいは銅が使われることもある。 初期の蹄鉄には滑り止めとしてカルキンスと呼ばれる出っ張りがあった。これは今でもチームペニングといった競技用馬の蹄鉄において見受けられる。 蹄鉄の形状は馬蹄形と呼ばれ、形を表現する語として使われる。代表例として、U字構造をした馬蹄磁石や米国ペンシルベニア州の鉄道史跡「ホースシューカーブ」、コロラド川が馬蹄形に曲がりくねっているアリゾナ州の「ホースシューベンド」がある。