数学において、複素共役(複素共軛、ふくそきょうやく、英: complex conjugate)とは、複素数の虚部を反数にした複素数をとる操作(写像)のことである。複素数 z の共役複素数を記号で z で表す。 複素数 z = a + bi(a, b は実数、i は虚数単位)の共役複素数 z は である。極形式表示した複素数 z = r(cos θ + i sin θ)(r ≥ 0, θ は実数)の共役複素数 z は、偏角を反数にした複素数である: 複素数の共役をとる複素関数 ・ : C → C ; z ↦ z は環同型である。すなわち次が成り立つ。 * z + w = z + w * zw = z w 複素共役は実数を変えない: * z が実数 ⇔ z = z 逆に、C 上の環準同型写像で、実数を変えないものは、恒等写像か複素共役変換に限られる。 複素共役変換は、C の全ての点で不可能である。 複素共役変換を R 上の線型変換と見ると、その表現行列は 代数方程式について、 「実係数多項式 P(x) が虚数根 α をもつならば、α の共役複素数 α も P(x) の虚数根である」 すなわち 実係数多項式 P(x) について、P(α) = 0 ⇔ P(α) = 0 が成り立つ(1746年、ダランベール)。このことは、複素共役変換は環準同型であることから容易に示せる。

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  • 数学において、複素共役(複素共軛、ふくそきょうやく、英: complex conjugate)とは、複素数の虚部を反数にした複素数をとる操作(写像)のことである。複素数 z の共役複素数を記号で z で表す。 複素数 z = a + bi(a, b は実数、i は虚数単位)の共役複素数 z は である。極形式表示した複素数 z = r(cos θ + i sin θ)(r ≥ 0, θ は実数)の共役複素数 z は、偏角を反数にした複素数である: 複素数の共役をとる複素関数 ・ : C → C ; z ↦ z は環同型である。すなわち次が成り立つ。 * z + w = z + w * zw = z w 複素共役は実数を変えない: * z が実数 ⇔ z = z 逆に、C 上の環準同型写像で、実数を変えないものは、恒等写像か複素共役変換に限られる。 複素共役変換は、C の全ての点で不可能である。 複素共役変換を R 上の線型変換と見ると、その表現行列は 代数方程式について、 「実係数多項式 P(x) が虚数根 α をもつならば、α の共役複素数 α も P(x) の虚数根である」 すなわち 実係数多項式 P(x) について、P(α) = 0 ⇔ P(α) = 0 が成り立つ(1746年、ダランベール)。このことは、複素共役変換は環準同型であることから容易に示せる。 (ja)
  • 数学において、複素共役(複素共軛、ふくそきょうやく、英: complex conjugate)とは、複素数の虚部を反数にした複素数をとる操作(写像)のことである。複素数 z の共役複素数を記号で z で表す。 複素数 z = a + bi(a, b は実数、i は虚数単位)の共役複素数 z は である。極形式表示した複素数 z = r(cos θ + i sin θ)(r ≥ 0, θ は実数)の共役複素数 z は、偏角を反数にした複素数である: 複素数の共役をとる複素関数 ・ : C → C ; z ↦ z は環同型である。すなわち次が成り立つ。 * z + w = z + w * zw = z w 複素共役は実数を変えない: * z が実数 ⇔ z = z 逆に、C 上の環準同型写像で、実数を変えないものは、恒等写像か複素共役変換に限られる。 複素共役変換は、C の全ての点で不可能である。 複素共役変換を R 上の線型変換と見ると、その表現行列は 代数方程式について、 「実係数多項式 P(x) が虚数根 α をもつならば、α の共役複素数 α も P(x) の虚数根である」 すなわち 実係数多項式 P(x) について、P(α) = 0 ⇔ P(α) = 0 が成り立つ(1746年、ダランベール)。このことは、複素共役変換は環準同型であることから容易に示せる。 (ja)
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  • 共役複素数の覚えておくべき性質 (ja)
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  • 数学において、複素共役(複素共軛、ふくそきょうやく、英: complex conjugate)とは、複素数の虚部を反数にした複素数をとる操作(写像)のことである。複素数 z の共役複素数を記号で z で表す。 複素数 z = a + bi(a, b は実数、i は虚数単位)の共役複素数 z は である。極形式表示した複素数 z = r(cos θ + i sin θ)(r ≥ 0, θ は実数)の共役複素数 z は、偏角を反数にした複素数である: 複素数の共役をとる複素関数 ・ : C → C ; z ↦ z は環同型である。すなわち次が成り立つ。 * z + w = z + w * zw = z w 複素共役は実数を変えない: * z が実数 ⇔ z = z 逆に、C 上の環準同型写像で、実数を変えないものは、恒等写像か複素共役変換に限られる。 複素共役変換は、C の全ての点で不可能である。 複素共役変換を R 上の線型変換と見ると、その表現行列は 代数方程式について、 「実係数多項式 P(x) が虚数根 α をもつならば、α の共役複素数 α も P(x) の虚数根である」 すなわち 実係数多項式 P(x) について、P(α) = 0 ⇔ P(α) = 0 が成り立つ(1746年、ダランベール)。このことは、複素共役変換は環準同型であることから容易に示せる。 (ja)
  • 数学において、複素共役(複素共軛、ふくそきょうやく、英: complex conjugate)とは、複素数の虚部を反数にした複素数をとる操作(写像)のことである。複素数 z の共役複素数を記号で z で表す。 複素数 z = a + bi(a, b は実数、i は虚数単位)の共役複素数 z は である。極形式表示した複素数 z = r(cos θ + i sin θ)(r ≥ 0, θ は実数)の共役複素数 z は、偏角を反数にした複素数である: 複素数の共役をとる複素関数 ・ : C → C ; z ↦ z は環同型である。すなわち次が成り立つ。 * z + w = z + w * zw = z w 複素共役は実数を変えない: * z が実数 ⇔ z = z 逆に、C 上の環準同型写像で、実数を変えないものは、恒等写像か複素共役変換に限られる。 複素共役変換は、C の全ての点で不可能である。 複素共役変換を R 上の線型変換と見ると、その表現行列は 代数方程式について、 「実係数多項式 P(x) が虚数根 α をもつならば、α の共役複素数 α も P(x) の虚数根である」 すなわち 実係数多項式 P(x) について、P(α) = 0 ⇔ P(α) = 0 が成り立つ(1746年、ダランベール)。このことは、複素共役変換は環準同型であることから容易に示せる。 (ja)
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  • 複素共役 (ja)
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