単振動(たんしんどう、Simple harmonic motion)とは、量の時間変化が三角関数の正弦関数または余弦関数で表される振動である。調和振動(ちょうわしんどう)や、単調和振動、調和運動とも呼ばれる。余弦関数(コサイン)を使った表現では、 という形で表現される。単振動の表現にはいくつかのバリエーションがあり、三角関数の他に複素指数関数による表現もよく使われる。一般に、次の形で表される微分方程式(定数係数斉次2階線形常微分方程式)の一般解は単振動となり、この形の方程式は単振動の方程式として知られる。 単振動は、振動現象あるいは波動現象における最も単純な形の振動であり、様々な物理現象を記述するとても重要な概念といえる。単振動の代表例は、減衰が無いと仮定したときの、フックの法則に従うばねで吊り下げられた重りの振動である。単振動を起こす系は、一般に調和振動子と呼ばれる。単振動の重ね合わせ(単振動同士の和)も、振動・波動の様々な場面で現れる。直角2方向にそれぞれ単振動する点はリサジュー図形と呼ばれる軌跡を描く。