法の支配(ほうのしはい、英語: rule of law)は、専断的な国家権力の支配を排し、権力を法で拘束するという英米法系の基本的原理である。法治主義とは異なる概念である。 「法の支配」とは、統治される物だけでなく統治する側もまた、より高次の法によって拘束されなければならないという考え方である。大陸法的な法治主義とは異なり、法の支配では法律をもってしても犯しえない権利があり、これを自然法や憲法などが規定していると考える。 * 法の支配における「法」 とは、全法秩序のうち、「根本法」と「基本法」のことを指す。 * 法の支配は、歴史的には、中世イギリスの「法の優位」の思想から生まれた英米法系の基本原理である。 * 法の支配は、専断的な国家権力の支配、すなわち人の支配を排し、全ての統治権力を法で拘束することによって、被治者の権利ないし自由を保障することを目的とする立憲主義に基づく原理であり、自由主義、民主主義とも密接に結びついている。 * 法の支配は、極めて歴史的な概念で、時代や国、論者により異なる様相を呈する多義的な概念である点に留意が必要である。