強行規範(きょうこうきはん)とは、国際法上いかなる逸脱も許されない規範である。ユス・コーゲンス(ラテン語:jus cogens)ともいう。条約法に関するウィーン条約(以下条約法条約)によると、強行規範を変更や終了できるのは強行規範のみであり、強行規範に反する条約は無効とされ(第53条)、条約締結後にその条約に反する新たな強行規範が生まれた場合にはその条約は終了するとされる(第64条)。そのため国際法の縦の序列関係においては上位の法として位置づけられ、強行規範に反する条約や慣習国際法に対して絶対的優位に立つ。このような上位規範の存在は国際法秩序における法の支配の進歩といえるが、その一方で条約関係を不安定なものとするおそれもある。しかし強行規範の具体的内容については、条約法条約の審議において侵略、奴隷取引、海賊行為、ジェノサイドの禁止などを強行規範として認める規定を置こうとする主張もあったが、このような性質をもつ規範は未だ少数であり、強行規範と主張する意見がありながらも未確定のものが多い。

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  • 強行規範(きょうこうきはん)とは、国際法上いかなる逸脱も許されない規範である。ユス・コーゲンス(ラテン語:jus cogens)ともいう。条約法に関するウィーン条約(以下条約法条約)によると、強行規範を変更や終了できるのは強行規範のみであり、強行規範に反する条約は無効とされ(第53条)、条約締結後にその条約に反する新たな強行規範が生まれた場合にはその条約は終了するとされる(第64条)。そのため国際法の縦の序列関係においては上位の法として位置づけられ、強行規範に反する条約や慣習国際法に対して絶対的優位に立つ。このような上位規範の存在は国際法秩序における法の支配の進歩といえるが、その一方で条約関係を不安定なものとするおそれもある。しかし強行規範の具体的内容については、条約法条約の審議において侵略、奴隷取引、海賊行為、ジェノサイドの禁止などを強行規範として認める規定を置こうとする主張もあったが、このような性質をもつ規範は未だ少数であり、強行規範と主張する意見がありながらも未確定のものが多い。 (ja)
  • 強行規範(きょうこうきはん)とは、国際法上いかなる逸脱も許されない規範である。ユス・コーゲンス(ラテン語:jus cogens)ともいう。条約法に関するウィーン条約(以下条約法条約)によると、強行規範を変更や終了できるのは強行規範のみであり、強行規範に反する条約は無効とされ(第53条)、条約締結後にその条約に反する新たな強行規範が生まれた場合にはその条約は終了するとされる(第64条)。そのため国際法の縦の序列関係においては上位の法として位置づけられ、強行規範に反する条約や慣習国際法に対して絶対的優位に立つ。このような上位規範の存在は国際法秩序における法の支配の進歩といえるが、その一方で条約関係を不安定なものとするおそれもある。しかし強行規範の具体的内容については、条約法条約の審議において侵略、奴隷取引、海賊行為、ジェノサイドの禁止などを強行規範として認める規定を置こうとする主張もあったが、このような性質をもつ規範は未だ少数であり、強行規範と主張する意見がありながらも未確定のものが多い。 (ja)
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  • 強行規範(きょうこうきはん)とは、国際法上いかなる逸脱も許されない規範である。ユス・コーゲンス(ラテン語:jus cogens)ともいう。条約法に関するウィーン条約(以下条約法条約)によると、強行規範を変更や終了できるのは強行規範のみであり、強行規範に反する条約は無効とされ(第53条)、条約締結後にその条約に反する新たな強行規範が生まれた場合にはその条約は終了するとされる(第64条)。そのため国際法の縦の序列関係においては上位の法として位置づけられ、強行規範に反する条約や慣習国際法に対して絶対的優位に立つ。このような上位規範の存在は国際法秩序における法の支配の進歩といえるが、その一方で条約関係を不安定なものとするおそれもある。しかし強行規範の具体的内容については、条約法条約の審議において侵略、奴隷取引、海賊行為、ジェノサイドの禁止などを強行規範として認める規定を置こうとする主張もあったが、このような性質をもつ規範は未だ少数であり、強行規範と主張する意見がありながらも未確定のものが多い。 (ja)
  • 強行規範(きょうこうきはん)とは、国際法上いかなる逸脱も許されない規範である。ユス・コーゲンス(ラテン語:jus cogens)ともいう。条約法に関するウィーン条約(以下条約法条約)によると、強行規範を変更や終了できるのは強行規範のみであり、強行規範に反する条約は無効とされ(第53条)、条約締結後にその条約に反する新たな強行規範が生まれた場合にはその条約は終了するとされる(第64条)。そのため国際法の縦の序列関係においては上位の法として位置づけられ、強行規範に反する条約や慣習国際法に対して絶対的優位に立つ。このような上位規範の存在は国際法秩序における法の支配の進歩といえるが、その一方で条約関係を不安定なものとするおそれもある。しかし強行規範の具体的内容については、条約法条約の審議において侵略、奴隷取引、海賊行為、ジェノサイドの禁止などを強行規範として認める規定を置こうとする主張もあったが、このような性質をもつ規範は未だ少数であり、強行規範と主張する意見がありながらも未確定のものが多い。 (ja)
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  • 強行規範 (ja)
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