批判法学(Critical Legal Studies)とは、1970年代にアメリカにおいて興隆した学派・運動である。法の不確定性や裁判所の欺瞞を強調したリアリズム法学から強く影響を受けているが、カール・マルクスやジャック・デリダ等の大陸哲学を大々的に摂取した点等に大きな違いがある。批判法学は、その名の示すとおり、当時の主流派の法学、すなわち「リベラル・リーガリズム(Liberal Legalism)」を批判するものである。しかしながら、その批判の射程は法学にとどまるものではなく、社会理論一般に対して向けられたものであり、総じて左派的な社会の形成を試みるためのものだと解される。