富栄養化(ふえいようか、英語: eutrophication)とは、海・湖沼・河川などの水域が、貧栄養状態から富栄養状態へと移行する現象を言う。ここで「栄養」とは水中の栄養塩(窒素化合物やリンなど)であり、植物プランクトンにとって水面付近で光合成し繁殖するために必要な栄養)のことを指す。 * 自然富栄養化:形成されたばかりの池や湖が、遷移によって湖沼型を変化させてゆく過程。 * 人為的富栄養化:近年では、人間活動の影響による水中の肥料分(窒素化合物やリンなど)の濃度上昇を意味する場合が多い。水域の富栄養化の要因は生活工業排水や農業の肥料、畜産の糞尿など多岐に渡る。このような富栄養化は生態系における生物の構成を変化させ、一般には生物多様性を減少させる反面、基礎生産の向上により生物生産性が増加する方向に作用する。富栄養化がすすんだ過栄養状態の水域では、赤潮や青潮などの現象を二次的に引き起こす為、富栄養化は公害や環境問題として広く認識されている。