回復領(かいふくりょう、ポーランド語: Ziemie Odzyskane, 英語: Recovered Territories:Regained Territories)は、第二次世界大戦後にソビエト連邦の傀儡政権であった共産主義のポーランド人民共和国が、1949年まで政治プロパガンダとして用いていた地理的用語。1949年以降、この表現は正式には使用されなくなった。これはソビエト連邦・アメリカ合衆国・イギリスの三国がポーランドの頭越しに行ったヤルタ会談の決定によってドイツ人追放が行われ、大戦の結果としてポーランド人民共和国が新たに獲得した西方領土(ドイツ側からみた東方領土(Ostgebiete des Deutschen Reiches))を指した。戦後もドイツ連邦共和国(西ドイツ)は東方領土の領有権を放棄していなかったが、公法においては1990年のドイツ再統一に際して締結されたドイツ・ポーランド国境条約により、また私法においては2008年の欧州人権裁判所の決定により、領土問題としては完全に解決している。