ホロドモール(ウクライナ語: Голодомо́р;ロシア語: Голод на Украине;英語: Holodomor)は、ウクライナ語で飢え・飢饉を意味するホロド (holodo) と、殺害、絶滅、抹殺、または疫病を意味するモル (mor) との合成語・造語 で、飢餓による殺害 (death by hunger) を意味する。具体的には、1932年から1933年(または1934年)にかけてウクライナ・北カフカース・クバーニなどウクライナ人が住んでいた地域をはじめ、カザフスタンなど、ソビエト連邦各地でおきた大飢饉を指す。この飢饉は、当時のソ連のスターリン政権による計画的な飢餓、または不作為による人災、人工的・人為的な大飢饉であったことが明らかになっている。ソ連政府の五カ年計画において、コルホーズ(集団農場)による農業の集団化や、クラーク(富農)撲滅運動において反ソ連分子を強制収容所(グラグ)に収容したり、さらに穀物の強制徴発、ノルマを達成しない農民への弾圧や処罰などを原因として発生した。「富農」と認定されたウクライナ農民たちはソ連政府による強制移住により家畜や農地を奪われ、「富農」と認定されなくとも、少ない食料や種子にいたるまで強制的に収奪された結果、大規模な飢饉が発生し、330万人から数百万人ともされる餓死者・犠牲者を出した。