インドの仏教(インドのぶっきょう)は、2011年国勢調査によると840万人以上の仏教徒がおり、人口の約0.7%を占める。うちの87%が新仏教徒(ナヴァヤーナ仏教)であり、彼らは他の宗教、主にヒンドゥー教のカースト制度から逃れるために改宗した不可触民であった。その他13%は、ヒマラヤ北東部と北部地域の伝統的コミュニティ(上座部仏教、大乗仏教、密教)に属している。 仏教は、古代インド十六大国の一つ、コーサラ国に生まれた釈迦牟尼(ガウタマ・シッダールタ)が、インダス川中流域で提唱し、発生した。インド亜大陸に広まった仏教は、ヒンドゥー教社会のなかで、バラモン教・ヒンドゥー教といったヴェーダの宗教や、ゾロアスター教・ギリシア宗教といった外来の宗教、そして民間信仰といった、他の宗教と相互に影響を及ぼしながら発展した。 しかし、エフタルやモンゴルの侵入による混乱、デリー・スルターン朝を始めとしたムスリムが行った破壊・迫害といった外的要因、それにバクティ運動や不二一元論によるヒンドゥー教側からの巻き返しといった内的要因の結果、13世紀以降、狭義のインドにおける仏教は衰微した。しかし、20世紀に入ってからはインド内外からの働きかけにより再び信徒の数は増えつつある。