パーリ語でサティ(巴: sati、梵: smṛti:スムリティ)とは、特定の物事を心に(常に)留めておくことである。日本語では念(ねん)や、気づき、英語ではマインドフルネス (mindfulness)などと表現する。漢訳で念。仏教の実践において正念(しょうねん、sammā-sati)とは、八正道(はっしょうどう)の一つとして重視される。正しい念は、三十七道品のなかの四念住(しねんじゅう)などにおける念とあるように、基本概念の一つである。対象に執着あるいは嫌悪などの価値判断を加えることなく、中立的な立場で注意を払うことを意味し、仏教における瞑想の基礎的な技術の一つであり、念を深めると心が固定され、何事にも惑わされない定(じょう)の状態に至るとされる。