立役(たちやく)は、歌舞伎における尋常な成年男子の役、またその役を演じる役者。 対象とならない役は、芯からの悪人(敵役)、滑稽を主とするもの()、老人()であるが、現在では役者の職掌としての敵役・道化役はなくなり、立役役者がこれをかねているものの、役には区別があり、その役柄の階級は武士から町人にいたるまで幅広く、多く劇中において善人方としてふるまい、のこしらえをもっぱらとする。立役役者は歌舞伎における中心的な存在であり、ほかの職掌にある役者よりも高い地位にあるものとされた。通常、立役が座頭をつとめる。