分国法(ぶんこくほう)とは、戦国時代、戦国大名が分国内での訴訟の公平性を確保するために制定した法令である。 単行法と並んで戦国法を構成する。分国とは中世における一国単位の知行権を指す語であり、知行国に始まる概念であるが、室町時代中期以降に守護大名や国人一揆による一国単位の領国化が進み、分国支配が形成されていった。そうした分国支配の一環として、領国内の武士に分国法が定められた。 分国法には先行武家法である御成敗式目および建武式目の影響が見られるが、一方では自らの分国支配の実情を反映した内容となっている。分国法が規定する主な事項には、領民支配、家臣統制、寺社支配、所領相論、軍役、などがある。 また、分国法は戦国大名の家中を規律する家法(かほう)と、守護公権に由来し国内一般を対象とする国法(こくほう)に区別される。 分国法は20世紀後半には戦国大名研究の主要なテーマの一つであったが、しだいに研究の優先順位・重要度が低下し概説書などでも記述が減る傾向にある。