司ちゃん誘拐殺人事件(つかさちゃんゆうかいさつじんじけん)は、1980年(昭和55年)8月上旬に山梨県(国中地方)で発生した身代金目的の誘拐殺人事件である。山梨幼児誘拐殺人事件と呼称される場合もある。 8月2日、東八代郡一宮町(現:笛吹市)在住の男児A(当時5歳:保育園児)が、電気工事業の男K・T(当時36歳:以下「K」)によって誘拐された。Aは2日後の8月4日に絞殺され、死体を中巨摩郡敷島町(現:甲斐市)の山林(昇仙峡付近の山中)に遺棄された。幼児が犠牲となった身代金目的誘拐殺人事件の発生は、正寿ちゃん誘拐殺人事件(1969年9月)以来だった。また、戦後日本で発生した誘拐事件は本事件が101件目で、被害者が殺害された事件は21件目だった。 昭和56年版『警察白書』によれば、1980年は身代金目的誘拐事件の件数(13件発生)が当時、史上最多を記録した年で、誘拐された被害者11人のうち、本事件の被害者Aを含む4人が殺害されていた。