グラックス兄弟(グラックスきょうだい)は、古代ローマのセンプロニウス氏族グラックス家に生まれた兄弟、ティベリウス・センプロニウス・グラックスとガイウス・センプロニウス・グラックスの2人を指す。 共和政ローマ末期、戦争が続き社会的な疲弊を感じたティベリウスは、紀元前133年に護民官となりローマの改革に着手するものの、元老院の反発に遭い暗殺される。紀元前123年には弟のガイウスが護民官に就任して改革を再開するが、兄よりも広範囲に急激な改革を目指したため抵抗が強く、紀元前121年に反対派によって自殺に追い込まれた。2人の死後、グラックス派は一掃され、矛盾と対立に満ちた「内乱の一世紀」へと向かうことになる。