燃料電池(ねんりょうでんち、英: fuel cell)は、燃料(多くは水素)と酸化剤(多くは酸素)の化学エネルギーを、一対の酸化還元反応によって電気に変換する電気化学電池である。燃料電池が多くの電池と異なる点は、化学反応を維持するために燃料と(通常は空気からの)酸素を継続的に供給する必要がある点である。一方、電池では化学エネルギーは通常、電池内に既に存在する物質から得られる。燃料電池は、燃料と酸素が供給される限り、継続的に電気を作り出すことができる。 最初の燃料電池は、1838年にウィリアム・グローブによって発明された。その後、1932年にフランシス・ベーコンが水素-酸素燃料電池を発明して以来、1世紀以上にわたって商業利用されてきた。アルカリ型燃料電池は、発明者の名前をとってベーコン型燃料電池とも呼ばれ、1960年代半ばからNASAの宇宙計画で人工衛星や宇宙カプセルの発電に使用されてきた。それ以来、燃料電池は他の多くのアプリケーションにも使用されている。燃料電池は、商業施設、産業施設、住宅、遠隔地やアクセスが困難な場所での一次電源やバックアップ電源として使用されている。また、フォークリフト、自動車、バス、列車、ボート、オートバイ、潜水艦などの燃料電池自動車の動力源としても使用されている。