ノルマン人による南イタリア征服(ノルマンじんによるみなみイタリアせいふく)は、11世紀から12世紀にかけて、それまで東ローマ帝国や帝国の宗主権を認めたランゴバルド諸侯国などさまざまな勢力が割拠していた南イタリアがノルマン人の活動によって統一されていったことを指す。 その過程はノルマン人傭兵が南イタリアで働き始めた11世紀前半から、12世紀前半に至る百年近い期間に及び、そこには多くの戦闘と、おのおの独立した複数のノルマン人勢力による幾多の領地獲得活動が含まれていた。11世紀にノルマン人有力君主たちがそれぞれに獲得した領地は、1127年のアプーリア公位継承を皮切りに次々とシチリア伯ルッジェーロ2世の掌握するところとなり、シチリア王位に就いたルッジェーロ2世によってイタリア半島南部の平定が完了したのは1140年のことであった。その領域はシチリア島のみならず、ベネヴェント(一時的に占領したことが二度あったが、11世紀半ばには教皇領となった)を除いたイタリア半島の3分の1に及ぶ南部全土、マルタ諸島や北アフリカの一部にまで及んでいた。