2MASS は、米国の研究機関が実施した近赤外線領域での天文観測プロジェクトの1つであり、 Two Micron All-Sky Survey(直訳すれば「(波長)2マイクロメートルにおける全天サーベイ」)の意味である 。観測は、完全な全天走査を行なうため、北半球と南半球にそれぞれ1基ずつ設置された望遠鏡(Fred Lawrence Whipple Observatory〈米国アリゾナ州〉と セロ・トロロ汎米天文台〈チリ〉に設置)で、1997年から2001年にかけて実施された。この最新の全星野の地図作成という、極めて野心的なプロジェクトの処理済最終データは、2003年にリリースされた。これにおいて全天は、2マイクロメートル赤外線領域の、J(1.25 µm)、 H(1.65 µm)、 および Ks(2.17 µm)という3つの波長帯(バンド)での測光データで網羅されている。 このサーベイの目標は大体次のようなものである。 * 銀河面吸収帯(zone of avoidance; われわれ自身の銀河系の銀河面のため、可視光線での観測が不鮮明になる星野の領域)における銀河の検出 * 褐色矮星の最初の検出 * 低質量星(われわれ自身の銀河系においても他銀河においても最も一般的な恒星)の広域サーベイ * 検出された全ての恒星と銀河のカタログ化