日本脳炎(にほんのうえん、英語: Japanese encephalitis)は、日本脳炎ウイルスによる流行性脳炎。アジア各地の西太平洋諸国に広く分布する。1871年(明治3年/明治4年)に、日本での臨床事例が報告されたことで、世界に認知された。 Japanese encephalitis の名は、1924年(大正13年)に岡山県で443人の死者を出した大流行に由来し、日本では「流行性脳脊髄膜炎」と区別されて『流行性脳炎』と呼ばれるようになった。 太平洋戦争以前は、流行性脳脊髄膜炎同様ヒト同士の接触によって流行すると誤認されていたが、三田村篤志郎ら蚊媒介説を主張する岡山県の研究者達は、日本脳炎という和訳を多用し、占拠地のアメリカ兵の感染者を診断するサビン達の研究が主流になるにつれ、日本脳炎の語が一般化した。 日本脳炎ウイルスを保有したコガタアカイエカに刺されることで主に感染するが、熱帯地域では他の蚊でも媒介する。 日本においては、家畜伝染病予防法における監視伝染病であるとともに、感染症法における第四類感染症である。