脳炎(のうえん)は、脳の炎症性疾患の総称。急性脳炎は脳実質に生じた炎症によって、発熱、頭痛、意識障害、麻痺などの急性症状を呈した状態をさす。脳炎様の臨床症状が存在するにもかかわらず脳実質に炎症が見られない場合は病理学的に脳炎に含めず脳症に分類する。脳症の病理学的な特徴は炎症ではなく脳浮腫である。 かつては両者の区別が難しいことから脳炎・脳症とまとめて述べることが多かった。詳細な病歴、臨床所見の把握、MRI検査、血液、髄液検査、ウイルス、細菌検査、長時間脳波検査、有機酸分析、アシルカルニチン分析などを駆使して診断に至る。しかし十分な検索ができず急死する例もある。