岩神の飛石(いわがみのとびいし)は、群馬県前橋市昭和町三丁目の岩神稲荷神社境内にある火山岩の巨岩である。1938年(昭和13年)12月14日に国の天然記念物に指定された。 岩神の飛石の特異性は、周囲の地形とは連続性のない場所に突如として巨大な岩塊が単独で存在する点にあり、周辺は前橋市中心部にほど近い住宅地で、丘陵や岩場などが存在しない、ほとんど起伏のない平坦な場所であるにもかかわらず、周囲約70メートル、地表面からの高さ約10メートルもの巨岩の塊りがポツンと孤立して存在することから、あたかも空中を飛来して来たかのような不思議な印象を与える岩として、古くから「飛石」と呼ばれており、この巨岩そのものが当所に鎮座する岩神稲荷神社のご神体として崇められてきた。 岩神の飛石の供給源の可能性がある火山は大きく分け 1. * 前橋から比較的近い「赤城火山起源説」 2. * 前橋から遠く離れた「浅間火山起源説」 以上の2説が議論されるようになったが、赤城火山と浅間火山の主要な岩質は類似する安山岩の主成分組織をもつ火山岩であるため、岩質の主成分のみを比較対比させ判定の基準にしても、その供給源を確定させることは不可能であった。