『十六歳の日記』(じゅうろくさいのにっき)は、川端康成の短編実録小説。川端が数え年16歳(満年齢で14歳)の時、寝たきりの祖父の病状を写実的に記録した日記である。川端が少年期に書いた最も古い執筆で、実質的な川端の処女作とされている。執筆から10年後に川端の伯父の倉から発見され、川端本人による注釈や補足、あとがきが27歳(数え年)の時点で付記され作品として発表された。死を間近にひかえて日に日に弱ってゆく最後の肉親である祖父への、少年らしい愛情と死への嫌悪が描かれ、非凡な川端少年の文学者的才覚や、川端文学の原点となる表現方法の萌芽や孤独感が垣間見られる作品である。