五投下(ごとうか)とは、モンゴル帝国及び大元ウルスに属する五つの有力部族集団(ジャライル部・コンギラト部・イキレス部・マングト部・ウルウト部)の総称。史料上では「五諸侯」とも称される。「五投下」の諸部族は全てモンゴル帝国内の左翼(東方)部に属するため、研究者からは特に「左手の五投下」とも呼称される。 五投下はチンギス・カンの西征中に東方の備えとしてモンゴル軍本体から離れて華北に駐屯した軍団を起源とし、帝国内でもとりわけ独立性・一体性の強い軍団であった。帝位継承戦争ではクビライ派の強力な支持基盤として勝利に大きく貢献したため、クビライの建設した大元ウルスでは建国の功臣として皇族に次ぐ厚遇を受けた。