メアリー・ローズ(英: Mary Rose)は、ヘンリー8世時代のイングランド王国で用いられていた軍艦(キャラック船)である。その33年間の戦歴でフランス、スコットランド、ブルターニュに対する戦争に従軍した。1545年7月19日、ソレント海峡において沈没した。 1971年に海中の残骸が発見され、1982年10月11日にによって引き上げられた。発掘・引き上げ事業は、海洋考古学の分野における画期的な出来事であり、その作業の困難さとかかった費用は1961年に行われた17世紀のスウェーデン軍艦「ヴァーサ」の引き上げに匹敵する。 回収された船体の現存部分と何千もの遺物は、テューダー朝期を知る非常に価値ある考古史料となっている。現在「メアリー・ローズ」は、『1973年沈没船保護法』の「1974/55規定」に基づき英国のの一つに指定されており、現在はヒストリック・イングランドが管理している。 発見された遺物には、武器、帆走装備、海軍の備品、および乗組員が使用したであろう様々な物品が含まれている。ここでしか発見されていない遺物もあり、海戦から楽器の歴史まで様々な分野に知見を提供している。 船体は、修復中の1980年代半ばからポーツマス海軍基地のにて公開され、現在は船体と収集遺物を展示するため同敷地内に建てられたにおいて膨大なコレクションとともに展示されている。