B級戦法(びーきゅうせんぽう)とは、将棋の戦法のうち、プロやアマチュア全国大会などの棋戦で、たまにみられるがまず指されない、普段頻繁に指される居飛車や振り飛車将棋ではない、専門家(プロ棋士)からみるとやや筋悪であるが一風変わっているユニークな戦法とされているものを指している。 2020年NHK将棋講座「阿久津主税の楽しく勝とうB級グルメ戦法」というタイトルでわかるとおり、「B級」としているのは、B級グルメで使用するB級の意味と同様な意味でつかわれている。順位戦の「B級」の意味ではない。 ハメ手や奇襲戦法のことを指しているように見えるが、必ずしもハメ手や奇襲戦法というわけではない。B級戦法を専門に紹介した棋書『B級戦法の達人』で、その初期版である1997年に出た時の紹介戦法はの通り。このうち、「平美濃返し」と「逆襲!変幻飛車」の2つは、その後前者は飯島流引き角、後者は角交換四間飛車として、それぞれプロの将棋でも採用され大活躍している。さらに「平美濃」は対振り飛車左美濃では、2010年代後半以降、特に後手番角道不開の△2二玉型として天守閣美濃に変わって多く指されるようになっている。 他の類似の言葉では「珍戦法」(後述)がある。こちらは手段から陣形に至るまで、通常の将棋から照らしても珍奇であるとわかる戦法のことで使用される言葉。

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  • B級戦法(びーきゅうせんぽう)とは、将棋の戦法のうち、プロやアマチュア全国大会などの棋戦で、たまにみられるがまず指されない、普段頻繁に指される居飛車や振り飛車将棋ではない、専門家(プロ棋士)からみるとやや筋悪であるが一風変わっているユニークな戦法とされているものを指している。 2020年NHK将棋講座「阿久津主税の楽しく勝とうB級グルメ戦法」というタイトルでわかるとおり、「B級」としているのは、B級グルメで使用するB級の意味と同様な意味でつかわれている。順位戦の「B級」の意味ではない。 将棋世界2016年11月号に掲載した「魅惑のB級戦法「常識の先に何かがある」」を再構成した対談:瀬川晶司六段×今泉健司四段「B級戦法は こんなに楽し」で、B級戦法といってもこれは立派な戦法で、ナメてかかると痛い目に遭う、いまはプロの将棋も何でもありの時代で、何をもってB級というのか、定義が難しいとしている。瀬川も今泉もアマチュア大会に出ていたときは元獎(元奨励会出身者)で、B級戦法は指すより食らう側であり、初対戦でデータのない、何をやってくるかわからない相手と当たるのはとても嫌であり、とくにB級戦法を指しこなす人は、自分のペースで戦えることも大きいとしている。またB級戦法のひとつの狙いとして、相手を怒らせる、平常心をなくさせるということもあるとしている。そして、B級戦法は間違いなくアマチュアの間で作られていき、プロが見ると理論づけすることで発展、したがって発案はアマ、理論づけはプロの仕事、ということはあるとしている。 ハメ手や奇襲戦法のことを指しているように見えるが、必ずしもハメ手や奇襲戦法というわけではない。B級戦法を専門に紹介した棋書『B級戦法の達人』で、その初期版である1997年に出た時の紹介戦法はの通り。このうち、「平美濃返し」と「逆襲!変幻飛車」の2つは、その後前者は飯島流引き角、後者は角交換四間飛車として、それぞれプロの将棋でも採用され大活躍している。さらに「平美濃」は対振り飛車左美濃では、2010年代後半以降、特に後手番角道不開の△2二玉型として天守閣美濃に変わって多く指されるようになっている。 また「魅惑のB級戦法」ではプロの戦法に昇華したB級戦法に、升田幸三賞特別賞を受賞した立石勝己の立石流四間飛車を上げられているが、立石流は四間飛車の変化でも常に含みとしてあるため優秀で、▲7六歩△3四歩▲7五歩スタートでも、立石流のように進むこともあることから、もはやB級ではなく市民権を得た戦法とみている。 類似の言葉のうち、そのひとつには斜陽戦法、マイナー戦法がある。これは幾つかの意味があり、そのひとつはいわゆるマイナー化した戦法で、以前は頻繁に指されていた戦法・戦術であったが、ある時期から指されなくなった戦法の呼称。但しこれも、ある時期から復活し始めるということもある。他には、末永く使われてはいるが使う棋士は限られていることでマイナーである、という戦法を指す。 他の類似の言葉では「珍戦法」(後述)がある。こちらは手段から陣形に至るまで、通常の将棋から照らしても珍奇であるとわかる戦法のことで使用される言葉。 (ja)
  • B級戦法(びーきゅうせんぽう)とは、将棋の戦法のうち、プロやアマチュア全国大会などの棋戦で、たまにみられるがまず指されない、普段頻繁に指される居飛車や振り飛車将棋ではない、専門家(プロ棋士)からみるとやや筋悪であるが一風変わっているユニークな戦法とされているものを指している。 2020年NHK将棋講座「阿久津主税の楽しく勝とうB級グルメ戦法」というタイトルでわかるとおり、「B級」としているのは、B級グルメで使用するB級の意味と同様な意味でつかわれている。順位戦の「B級」の意味ではない。 将棋世界2016年11月号に掲載した「魅惑のB級戦法「常識の先に何かがある」」を再構成した対談:瀬川晶司六段×今泉健司四段「B級戦法は こんなに楽し」で、B級戦法といってもこれは立派な戦法で、ナメてかかると痛い目に遭う、いまはプロの将棋も何でもありの時代で、何をもってB級というのか、定義が難しいとしている。瀬川も今泉もアマチュア大会に出ていたときは元獎(元奨励会出身者)で、B級戦法は指すより食らう側であり、初対戦でデータのない、何をやってくるかわからない相手と当たるのはとても嫌であり、とくにB級戦法を指しこなす人は、自分のペースで戦えることも大きいとしている。またB級戦法のひとつの狙いとして、相手を怒らせる、平常心をなくさせるということもあるとしている。そして、B級戦法は間違いなくアマチュアの間で作られていき、プロが見ると理論づけすることで発展、したがって発案はアマ、理論づけはプロの仕事、ということはあるとしている。 ハメ手や奇襲戦法のことを指しているように見えるが、必ずしもハメ手や奇襲戦法というわけではない。B級戦法を専門に紹介した棋書『B級戦法の達人』で、その初期版である1997年に出た時の紹介戦法はの通り。このうち、「平美濃返し」と「逆襲!変幻飛車」の2つは、その後前者は飯島流引き角、後者は角交換四間飛車として、それぞれプロの将棋でも採用され大活躍している。さらに「平美濃」は対振り飛車左美濃では、2010年代後半以降、特に後手番角道不開の△2二玉型として天守閣美濃に変わって多く指されるようになっている。 また「魅惑のB級戦法」ではプロの戦法に昇華したB級戦法に、升田幸三賞特別賞を受賞した立石勝己の立石流四間飛車を上げられているが、立石流は四間飛車の変化でも常に含みとしてあるため優秀で、▲7六歩△3四歩▲7五歩スタートでも、立石流のように進むこともあることから、もはやB級ではなく市民権を得た戦法とみている。 類似の言葉のうち、そのひとつには斜陽戦法、マイナー戦法がある。これは幾つかの意味があり、そのひとつはいわゆるマイナー化した戦法で、以前は頻繁に指されていた戦法・戦術であったが、ある時期から指されなくなった戦法の呼称。但しこれも、ある時期から復活し始めるということもある。他には、末永く使われてはいるが使う棋士は限られていることでマイナーである、という戦法を指す。 他の類似の言葉では「珍戦法」(後述)がある。こちらは手段から陣形に至るまで、通常の将棋から照らしても珍奇であるとわかる戦法のことで使用される言葉。 (ja)
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  • B級戦法(びーきゅうせんぽう)とは、将棋の戦法のうち、プロやアマチュア全国大会などの棋戦で、たまにみられるがまず指されない、普段頻繁に指される居飛車や振り飛車将棋ではない、専門家(プロ棋士)からみるとやや筋悪であるが一風変わっているユニークな戦法とされているものを指している。 2020年NHK将棋講座「阿久津主税の楽しく勝とうB級グルメ戦法」というタイトルでわかるとおり、「B級」としているのは、B級グルメで使用するB級の意味と同様な意味でつかわれている。順位戦の「B級」の意味ではない。 ハメ手や奇襲戦法のことを指しているように見えるが、必ずしもハメ手や奇襲戦法というわけではない。B級戦法を専門に紹介した棋書『B級戦法の達人』で、その初期版である1997年に出た時の紹介戦法はの通り。このうち、「平美濃返し」と「逆襲!変幻飛車」の2つは、その後前者は飯島流引き角、後者は角交換四間飛車として、それぞれプロの将棋でも採用され大活躍している。さらに「平美濃」は対振り飛車左美濃では、2010年代後半以降、特に後手番角道不開の△2二玉型として天守閣美濃に変わって多く指されるようになっている。 他の類似の言葉では「珍戦法」(後述)がある。こちらは手段から陣形に至るまで、通常の将棋から照らしても珍奇であるとわかる戦法のことで使用される言葉。 (ja)
  • B級戦法(びーきゅうせんぽう)とは、将棋の戦法のうち、プロやアマチュア全国大会などの棋戦で、たまにみられるがまず指されない、普段頻繁に指される居飛車や振り飛車将棋ではない、専門家(プロ棋士)からみるとやや筋悪であるが一風変わっているユニークな戦法とされているものを指している。 2020年NHK将棋講座「阿久津主税の楽しく勝とうB級グルメ戦法」というタイトルでわかるとおり、「B級」としているのは、B級グルメで使用するB級の意味と同様な意味でつかわれている。順位戦の「B級」の意味ではない。 ハメ手や奇襲戦法のことを指しているように見えるが、必ずしもハメ手や奇襲戦法というわけではない。B級戦法を専門に紹介した棋書『B級戦法の達人』で、その初期版である1997年に出た時の紹介戦法はの通り。このうち、「平美濃返し」と「逆襲!変幻飛車」の2つは、その後前者は飯島流引き角、後者は角交換四間飛車として、それぞれプロの将棋でも採用され大活躍している。さらに「平美濃」は対振り飛車左美濃では、2010年代後半以降、特に後手番角道不開の△2二玉型として天守閣美濃に変わって多く指されるようになっている。 他の類似の言葉では「珍戦法」(後述)がある。こちらは手段から陣形に至るまで、通常の将棋から照らしても珍奇であるとわかる戦法のことで使用される言葉。 (ja)
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  • B級戦法 (ja)
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